「損得勘定」
曽野綾子さんのエッセイ『透明な歳月の光』より。
「国民年金の問題がこれほど騒がれるのは、第一に自分が損をしたくない、という感情があるからである。もちろん誰も損をしたくないのは当然である。しかしそれでもなお、それ以外のものの考え方というものが本来は存在するはずであった。たとえ自分は少々損になろうとも、できれば人に尽す。受けた恩は十分にお返しする、という気風である。」
「人間を幸福にするものは、基本的には労(ねぎら)いと愛である。年金で損をするかしないか、ではない。その点を教える人が日本にはいないのだろうか。」
「【損得より「受けた恩は返す」】」(『透明な歳月の光 113』)
→ http://www.nippon-foundation.or.jp/org/moyo/2004568/20045681.html