尾大掉わず
本日のお言葉。
本屋で見かけた『月刊WiLL (ウィル) 2017年4月号』より加地伸行さんの『春秋左氏伝』。
末 大なれば
木 必ず折れ
尾 大なれば
自由に掉えず
『春秋左氏伝 公昭十一年』
末 ─ 梢。端々の意味。
尾 ─ 動物の尾。
掉 ─ 振り動かす。
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2017/02/25
- メディア: 雑誌
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勇敢なる男は、
フリードリヒ・フォン・シラーに曰く、
勇敢なる男は、自分自身のことは最後に考えるものである。
『2013年05月18日(Sat) noblesse oblige』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20130518
「文明を逐ふ」
「【正論】『文明を逐ふ』路線を貫くときだ 東洋学園大学教授・櫻田淳」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/column/news/170309/clm1703090007-n1.html
ドナルド・J・トランプ米国大統領の政権始動から1カ月半、彼の動静を伝える報道は止(や)むことがない。彼は、その一挙一動に対する内外の注目度において、歴代米国大統領の中でも稀有(けう)な存在であろう。彼の政権運営に予感させる「不可測性」も、そのことに拍車を掛けている。
≪日本は安全保障哲学を確立せよ≫
ただし、トランプ大統領の政権運営に関して確実に断言できることは、彼が標榜(ひょうぼう)する「米国第一主義」の内実が、米国が対外関与を手控えるという意味での「孤立主義」ではないということである。
トランプ大統領は、日米首脳会談翌日、北朝鮮のミサイル発射を受けて設定された記者意見の席で、「すべての人々は、米国が偉大な同盟国、日本と100%ともにあることを知るべきだ」と語った。また、彼は議会演説の中でも、「米国の外交政策は、世界との直接的で確固とした、意義のある関与を求めている。米国のリーダーシップは、世界中の同盟国と共有する極めて重要な安全保障上の利益に基づく」と語っている。
議会演説中、「NATO(北大西洋条約機構)や中東、太平洋地域などのパートナー諸国が、戦略や軍事作戦で直接的かつ意義のある役割を果たし、公平なコストを負担するよう期待する」という一節は、彼の本音を表したものかもしれないが、それでも前年比1割増の国防予算支出方針にあわせて、米国の「孤立主義」傾向への懸念を払拭するものであったといえよう。
日本としては、トランプ大統領の志向に呼応して、安全保障努力を強化する政策志向を明確に打ち出すべきであろう。それにあわせて、「日本の安全保障は、自由民主主義諸国全体で確保し、日本の安全保障上の努力は、自由民主主義諸国全体に貢献する」という安全保障哲学を確立していくことが、大事になる。それは、トランプ大統領執政下の米国を「利己」や「独善」に走らせないための配慮でもある。
≪同盟結束に寄与した福澤の方針≫
明治初年、福澤諭吉は、『文明論之概略』中、「今の時に当て、前に進まん歟(か)、後に退かん歟、進て文明を逐(お)はん歟、退て野蛮に返らん歟、唯進退の二字あるのみ」と書き、幕藩体制から脱したばかりの日本の人々に対して、「文明を逐ふ」選択を提示した。
それ以降、日本の対外政策路線は、「文明を逐ふ」という福澤の言葉の趣旨の通りに、欧米諸国との協調を基調とするものであった。それは、具体的には、明治期には「近代化・産業化」という大義に重なるものであったし、第二次世界大戦後の冷戦期には「西側同盟の結束」に寄与するものであった。
そして、福澤以来の「文明を逐ふ」という方針は、中韓両国を含む多くの国々が表面上は「産業化・近代化」を成したように映る現在でも、自由、民主主義、人権、法の支配といった「普遍的な価値意識」の尊重という新たな中身を伴いつつ、確(しっか)りと護持されている。その意味では、安倍晋三首相が第2次内閣発足以降に披露した対外政策展開は、彼の専売特許ではなく、永きに渉(わた)る「文明を逐ふ」流儀に沿ったものである。
故に、仮に今、福澤が「今世界の文明を論ずるに、欧羅巴諸国並に亜米利加の合衆国を以(もっ)て最上の文明国と為(な)し」と書いた当の欧州諸国や米国において、その文明の様相にふさわしくない「偏狭」や「非寛容」の空気が漂いつつあるのであれば、その空気に抗(あらが)う姿勢を示すことは、「文明を逐ふ」流儀に照らし合わせて、意義深いのではなかろうか。
≪安倍首相にこそ「説得性」がある≫
ところで、欧州諸国や米国における「偏狭」と「非寛容」の空気は、各国における「ナショナリストの擡頭(たいとう)」と軌を一にするものとして語られる向きがある。
トランプ大統領の登場、あるいはフランス国民戦線のマリーヌ・ルペン党首の隆盛は、その証左として語られてきた。それならば、安倍首相は、こうした世情を前にして、「ナショナリズム」と「国際協調」の両立の仕方を披露していくべきではなかろうか。
もともと、その強烈なナショナリスト色を指摘されてきた安倍首相であればこそ、そうした仕方の披露には「説得性」が伴うであろう。
幸いにして、先刻の日米首脳会談の結果、安倍首相とトランプ大領領には相応の「信頼関係」が構築された。トランプ大統領の政治姿勢を無邪気に批判するのは当節、最も安易な振る舞いにすぎず、日本の利害に照らし合わせて、もはや然程(さほど)、有益なものでもないのであろう。
要は、前にも指摘したように、トランプ大統領の政権運営を「利己」や「独善」に堕させないために、何をするかということに他ならない。そのためにこそ、「安倍・トランプ」関係における「信頼」醸成の意義がある。フランシス・フクヤマが日本と米国を「高信頼社会」と位置付けたことの意義は、忘れられるべきではない。
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「勅語読みの勅語知らず」
「【風を読む】幼稚園の行き過ぎ指導で『教育勅語』が迷惑している 論説委員長・石井聡」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/column/news/170307/clm1703070004-n1.html
教育勅語に触れるのが悪いような議論にすり替わっている。問題があるのは不自然な国有地売却なのだ。
大阪の「森友学園」が小学校設立に国有地を格安で払い下げてもらった件で、野党が安倍晋三首相への攻撃を続けている。
首相は設立者についてよく知らないという。だとすれば、夫人が「名誉校長」の称号を受け、批判を浴びるまで辞めなかったのは不用心すぎる。
「安倍晋三記念小学校」の名目で、勝手に寄付金集めが行われていたなら、詐欺行為だと、もっと怒るべきだ。
だが、それらも本質論ではない。実勢価格が10億円以上とされる土地が、廃棄物処理などの名目で大幅に値引きされ、タダ同然で資力の乏しい学校経営者の手に委ねられた。外形的事実について、納得のいく説明がいまだに行われていない。
その一点を追及しきれるかどうかが焦点だが、野党は首相や周辺が不正な土地取引に関与したように思わせる「印象操作」に力を入れる。ついでに、子供に教育勅語を教えていたのはけしからんとなる。勅語にとっては、とんだはた迷惑である。
園児らに「アベ首相がんばれ」と叫ばせ、軍歌も歌わせるなど行きすぎた指導が問題視された。それをとらえ、教育勅語に言及すること自体が異常だとする風潮が再燃している。
教育勅語は現行憲法の国民主権に反し、軍国主義を生んだ戦前の教育思想を支えたなどとして、占領下の昭和23年に廃止された。だが、親孝行や友愛など12の徳目と呼ばれる内容自体は、およそ軍国主義とは無縁で道徳教育の肝となるものだ。
反対論は天皇中心の国体思想が据えられていると指摘する。皇室と日本の歴史のくだりは国柄を示しており、国民主権を否定する性格ではなかろう。国柄や建国の理念について、どうしても認めたくないのだろうか。
園児らの様子を視察したこともある中山成彬元文部科学相が、ツイッターで発した感想が的確だった。
「経営者自身が勅語の精神を理解していないようだ」
「論語読みの論語知らず」ならぬ「勅語読みの勅語知らず」。
勅語を理解していないのは籠池氏である。
12の徳目を実践すれば何も問題は起こらなかったはずである。
- 父母ニ孝ニ(【孝行】-親に孝養を尽くしましょう)
- 兄弟ニ友ニ(【友愛】-兄弟・姉妹は仲良くしましょう)
- 夫婦相和シ(【夫婦の和】-夫婦は互いに分を守り仲睦まじくしましょう)
- 朋友相信ジ(【朋友の信】-友だちはお互いに信じ合いましょう)
- 恭倹己レヲ持シ(【謙遜】-自分の言動を慎みましょう)
- 博愛衆ニ及ボシ(【博愛】-広く全ての人に慈愛の手を差し伸べましょう)
- 学ヲ修メ業ヲ習ヒ(【修業習学】-勉学に励み職業を身につけましょう)
- 以テ智能ヲ啓発シ(【知能啓発】-知識を養い才能を伸ばしましょう)
- 徳器ヲ成就シ(【徳器成就】-人格の向上につとめましょう)
- 進デ公益ヲ広メ世務ヲ開キ(【公益世務】-広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう)
- 常ニ国憲ヲ重ジ国法ニ遵ヒ(【遵法】-法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう)
- 一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ(【義勇】-国に危機があったなら正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう)
『教育勅語』(明治神宮) http://www.meijijingu.or.jp/about/3-4.html
『教育勅語を書いてみましょう』(明治神宮) http://www.meijijingu.or.jp/kyouikuchokugo/pc/
『教育勅語 特集ページ』(北海道神社庁) http://www.hokkaidojinjacho.jp/top.html
『教育勅語 原文PDF』(北海道神社庁)http://www.hokkaidojinjacho.jp/kchokugo.pdf (PDF)
そもそも教育勅語は、その徳目を誰かが新しく考え出したものではなく、昔から日本人の道徳規範であったものを、あらためて勅語の形にまとめたものであるから、これに違和感を持つ日本人はおらず、大いに歓迎されて、親も子供に暗記させていたのであった。それは憲法の方がよそよそしく、一般の人々には関係ないものと考えられていたのとは対照的であったといえよう。それがなくなるということは、日本人の意識から徳目がなくなるということに連なるのだ。
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pray for japan
『2011年03月12日(Sat) pray for japan』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20110312
「【prayforjapan】世界から届いた日本への祈り」(NAVER まとめ)
→ http://matome.naver.jp/odai/2129985372846288901
「つもった雪」
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。
1930(昭和5)年3月10日
金子みすゞ没
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明るいほうへ―金子みすゞ童謡集 (JULAの童謡集シリーズ)
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「『石原慎太郎節』はいつまで健在か?」
「【野口健の直球&曲球】時には暴言も… 『石原慎太郎節』はいつまで健在か?」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/column/news/170309/clm1703090004-n1.html
僕が高校生の頃、夢中になって読んだ本に『「NO」と言える日本』がある。石原慎太郎さんがソニーの盛田昭夫さんと共同執筆されたエッセーで、中でも石原さんの、日本は世界に対して毅然(きぜん)と物申すべきだ、という主張に強く共感したものだった。
時が流れ、環境活動に取り組む中で、東京都知事に就任された石原さんと仕事をご一緒する機会に恵まれた。都独自のレンジャー(自然保護員)制度の創設だった。僕は都をはじめ他の自治体にも、地方独自のレンジャー制度の必要性を訴えてきた。しかし「理想はわかるけど。前例がない」といった反応ばかり。
諦めかけていたとき、石原さんと白神山地を訪れる機会を得た。「石原さんならわかってくれるかも」と僕は日本の自然保護のあり方について思いをぶつけた。環境省は予算も少ない。全て国に任せていたら自然環境は守られないと。その場では特に目立った反応はなかった。僕は、やっぱりだめか、と意気消沈。
しかし、である。なんと翌日の朝、取材陣の前で石原さんは唐突に「東京都は来年から独自のレンジャー制度を立ち上げる。初代隊長は野口健。あとは本人に聞け」と発表。ニヤッとあの笑みを浮かべ、その場を立ち去った。突然の展開に、記者の皆さんはもとより、秘書や職員まで、唖然(あぜん)としていた。
それはとても痛快で、「石原さんらしいなあ」と思ったものだった。その後他の自治体でも同様の制度が始まり、ついには国も動き、日本の自然公園の保全施策は大きく前進した。まさしく「東京から国を変える」瞬間を感じたときだった。
ディーゼル車規制、銀行税、東京五輪、あげればキリがないが、「石原節」で国と丁々発止やりながら、改革を断行した。時にはとんでもない暴言も飛び出す。でも「石原さんだからしようがないか」。そんなふうに思わせてしまう不思議な魅力があったし、受け止める側にも度量があったような気がする。
過日、石原さんの会見を見た。「最後まで慎太郎さんらしくあってほしい」と思いながらも、石原慎太郎を演じ続ける人生もまた大変なのだろうと感じていた。
「NO(ノー)」と言える日本―新日米関係の方策(カード) (カッパ・ホームス)
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それでも「NO(ノー)」と言える日本―日米間の根本問題 (カッパ・ホームス)
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