一日一言「栄誉と恥辱」
二月二十八日 栄誉と恥辱
世の中で栄誉と恥辱というものを考えると、世間への聞こえや評判、見栄に関するものが多く、中には良心とまったくかけへだてているものもある。高い位や高い地位に就くことは、名誉なことに違いないが、これを得るまでの行動や手段によっては、良心に恥じるようなこともある。人を蹴落として求めた栄誉は、得たときから卑しいものとなる。
諂(へつら)ひて富める人よりへつらはで
まづしき身こそ心やすけれ <一休禅師>
あの男は、王さまからも、うぬぼれ男からも、呑み助からも、実業屋からも、けいべつされそうだ。でも、ぼくにはこっけいに見えないひとといったら、あのひときりだ。それも、あのひとが、じぶんのことでなく、ほかのひとのことを考えているからだろう。
- 作者:サン=テグジュペリ
- 発売日: 2000/03/10
- メディア: ハードカバー