NAKAMOTO PERSONAL

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偏向報道

“抑圧”、“統治”されていたはずの台湾からも批判が相次いでいます。


「「日本の教育あったから今の私がいる」…台湾の元師範学校生が語る」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/life/education/090814/edc0908142209007-n1.htm

 日本統治時代の「負」の部分をことさらに強調して取り上げたNHKスペシャル「JAPANデビュー アジアの“一等国”」(4月5日放送)に台湾からも批判が出る中、戦時中に台中師範学校で学んだ台湾人から、日本に感謝する声が上がっている。「日本人」として入学し、終戦直後に卒業を迎えるなど、時代に翻弄(ほんろう)された世代だが、「日本の教育があったから今の私がいる」と感謝の念を送っている。
 「あの時代の日本人による教育は、人としての品格を向上させたと思う。私の財産といえます」
 流暢(りゅうちょう)な日本語で語るのは、台湾総督府立台中師範学校第三期入学生の林(りん)永隆(えいりゅう)さん(85)だ。「日本でも台湾でも、若い世代があんな教育を受ける機会はもうないだろう」と振り返る。
 昭和14年に入学した林さんの同窓生は40人。日本人26人、台湾人14人だったという。2000人の受験生から選抜された“若きエリート”だった。
 午前6時の起床ラッパから始まり国語、漢文、英語とみっちり仕込まれた。「『平家物語』を暗記するなどして、日本のことや日本語をたたき込まれた。日本文学には今の日本のみなさんより精通しているかもしれませんよ」と林さんは笑う。

 もちろん苦しいときもあった。何十メートルも先を歩いている先輩を素早く見つけて、直立で礼をしなければならない。忘れると鉄拳が飛ぶこともあった。上下関係は特に厳しかった。「でもそうした経験も、今では良かったと思う」(林さん)。
 林さんらは「伊吹会」という同窓会を作り、筆の取れるうちにと、数年前に師範学校での生活などを日本語で小冊子にまとめた。
 《学寮でははしの上げ下ろしから歩き方、口の開き方まで事細かくしつけられた》《戦局は緊急を告げていたが、楽しい青春時代だった》…。授業の様子や思い出がつづられている。《当時、英語は100点満点の2点。戦争がエスカレートして敵性語の英語が廃止され、落第が免れホッとした》という“率直な”記述もある。
 日本の台湾統治時代をめぐって、NHKは番組で、日台間の格差と同化という矛盾を抱え、やがて皇民化運動で日本文化を強制したと放送。視聴者約1万人が損害賠償を求める訴えを起こしている。
 そうした「強制」を受けたという気持ちは林さんにはない。「今も思いだす歌は『荒城の月』や『はとぽっぽ』ですが、嫌だったという思い出はありません。同級生とも仲が良かった。日本人の先生は人格者が多かった」と振り返る。
 林さんは、司馬遼太郎の『街道をゆく』を日本語で全巻読破。今でも日本に親しみを感じている。「日本の教育を受けたことは誇り。死ぬまで日本を忘れることはないでしょう」と話している。

「NHK相手に8400人が集団提訴 「JAPANデビュー」歪曲報道で」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090625/biz0906251726014-n1.htm
「パイワン人も提訴、原告1万人突破 NHK台湾特集訴訟」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/090812/med0908121417000-n1.htm
「台湾歌壇がNスペに抗議 「排日的と誤解与える」」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090811/acd0908110759001-n1.htm

「【NHK提訴】JAPANデビュー どこが問題になっているのか 」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090625/trl0906251844016-n1.htm

 集団訴訟が提起されたNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー アジアの“一等国”」。NHKはこれまで放送内容には問題はなく、偏向もしていないと強調している。しかし、8千人を超える原告の数は今も増え続けており、第2次提訴も検討されている。一体、番組のどこの部分が問題とされているのか。
 

 《日本軍に対し、台湾人の抵抗は激しさを増していきます。戦いは全土に広がり、のちに「日台戦争」と呼ばれる規模へと拡大していきます》
 台湾と日本の間に戦争の過去はない。出演した台湾人からも「先住民族の抵抗なら治安の悪化だ」「戦争は言い過ぎ。NHKの誤り」などと抗議があがっている。
 NHKは「日台戦争」という言葉について、日本の大学教授らが使っていると根拠を挙げた。しかし、「平成に入って用いられた造語。確かに『日台戦争』という言葉を一部の大学教授が使っているが原典は戦争の定義もしておらず、治安回復のための掃討戦に過ぎない」(日本李登輝友の会関係者)という。
 

  • 人間動物園

 《イギリスやフランスは博覧会などで植民地の人々を盛んに見せ物にしていました。人を展示する「人間動物園」と呼ばれました》
 NHKは、1910年の日英博覧会パイワン族の写真に、「人間動物園」の文字をかぶせた。フランスの学者、ブランシャール氏の共著「人間動物園」などを参考にしたという。
 しかし、当時イギリスやフランスでそうした言葉が使われていたのかどうかは明らかにしていない。また日英博覧会には、パイワン族だけでなく、日本の村やアイヌの村、力士も参加していた。
 これを今も栄誉としている村もあり、「日本政府がパイワン族の実演を『人間動物園』と呼んだことはない」(訴状)、「パイワン族に対する人権問題」(出演者)と訂正を求める声が出ている。

 番組放映放映直後から、「日本の台湾統治の悪い面ばかりを強調している」「明らかに制作者側の悪意が感じられる」などの声が続出。「後藤新平を弾圧差別の首謀者として描くなど総じて台湾統治の負の側面をことさらに強調しており、わが国を不当に貶めた番組」だという怒りも。
 

  • 経営委員からの疑義

 NHKは膨大な資料と関係者への取材を踏まえた番組で事実に基づき、問題はないとホームページで説明している。しかし、5月26日のNHK経営委員会では、小林英明委員(弁護士)が「日本と台湾の間に戦争がなければ、そのような内容を放送することは放送法に違反する」「学会で多数説でなく、少数説や異説なら、そう説明するのが正しい放送では?」と問う場面があった。
 日向英実放送総局長は「一説とは考えていない」と答え、多数説なのかは、次回へ持ち越されることになった。経営委員会内部では個別の番組の是非を論じるのを差し控える空気もあるようで、小林委員の意見に他委員が「そういう意見が経営とどう関係しているのですか」とクギを刺す一幕もあったという。