NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

私は、もう、ねむい。

あつちへ行つてくれ。

 小説を読むなら、勉強して、偉くなつてから、読まなければダメですよ。陸軍大将になつても、偉くはない。総理大臣になつても、偉くはないさ。偉くなるといふことは、人間になるといふことだ。人形や豚ではないといふことです。
 小説はもともと毒のあるものです。苦悩と悲哀を母胎にしてゐるのだからね。苦悩も悲哀もない人間は、小説を読むと、毒蛇に噛まれるばかり。読む必要はないし、読んでもムダだ。
 小説は劇薬ですよ。魂の病人のサイミン薬です。病気を根治する由もないが、一時的に、なぐざめてくれるオモチャです。健康な豚がのむと、毒薬になる。
 私の小説を猥セツ文学と思ふ人は、二度と読んではいけない。あなたの魂自身が、魂自体のふるさとを探すやうになる日まで。
 私の小説は、本来オモチャに過ぎないが、君たちのオモチャではないよ。あつちへ行つてくれ。私は、もう、ねむい。

── 坂口安吾(『デカダン文学論』)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)

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「自信満々のバカを脱却する方法」

gigazine.net


翁に曰く、

 本当のインテリなら、そのインテリぶりを誇示しない。知恵あるものは知恵をかくすと聞く。真のインテリというものがあるとすれば、それはインテリに似てない。第一、むずかしいことを言わない。横文字を口にしない。インテリ特有の言い回しは避けて用いない。言語がそうなら、衣服もそうである。ベレエ帽をかぶって目立とうとしない。むしろ、その時代の風俗と流行に従って目立つまいとする。

── 山本夏彦『何用あって月世界へ』

一日一言「知識と実行」

十月五日 知識と実行


 知識を得ることは簡単であるが、これを実行することはむずかしい。しかし、細かいところまで知りつくしていなければ、実行してはならない。たとえば、農業のように、土をたがやし、時を間違えずに種をまき、草を刈れば、実ることは誰でも知っているが、そのことを知っていても実行しなければ、何の実りもない。また、それを知るのには、時期を考えて、土のたがやし方や、鋤や鍬の使い方など、それぞれよく知った上で行わなければ、知ったことにはならない。これは、三浦梅園(江戸中期の儒医)の教えである。


  説く法(のり)に心の花は開けども
         その実となれる人はまれなり

── 新渡戸稲造(『一日一言』)


『三浦梅園資料館』(国東市ホームページ) http://www.city.kunisaki.oita.jp/site/kyouikukage/baiensiryoukan.html
『993夜「玄語」三浦梅園』(松岡正剛の千夜千冊) http://1000ya.isis.ne.jp/0993.html


三浦梅園自然哲学論集 (岩波文庫)

三浦梅園自然哲学論集 (岩波文庫)

Glenn Gould

グレン・グールド (1932年9月25日 - 1982年10月4日)


グレン・グールド著作集 - 松岡正剛の千夜千冊』 http://1000ya.isis.ne.jp/0980.html
『映画「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」』 http://www.uplink.co.jp/gould/
グレン・グールド | SonyMusic』 http://www.sonymusic.co.jp/artist/GlennGould/

 芸術の目的とは、一時的にアドレナリンを分泌させることではなく、生涯をかけて徐々に脅威と静穏の状態を作り上げていくことである。

── Glenn Herbert Gould

バッハからブーレーズへ グレン・グールド著作集

バッハからブーレーズへ グレン・グールド著作集

リトル・バッハ・ブック

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ブッダの脳を手に入れる科学的方法

president.jp

ブッダの脳 心と脳を変え人生を変える実践的瞑想の科学

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一日一言「親子の愛」

十月二日 親子の愛


 安政二年(西暦一八五五年)の今日、江戸に大地震が起こり、藤田東湖は母を助けようとして、自分は圧死した。親を思う子の心にまさるものは子を思う親の心というが、お互いの思いやりがあってこそ、人間が万物の頂点に立つものとしてその姿を見ることができるもので、親子の愛は、人類の愛情の根本である。


 〈明治天皇御制〉
  むらぎもの心つくして報いなむ おほし立てつる親の恵を
  たらちねのみ親の教あら玉の 年ふるまゝに身にぞ沁みける

── 新渡戸稲造(『一日一言』)


松陰先生。

親思う心にまさる親心 けふのおとずれ何ときくらん

── 吉田松陰(『辞世』)

子供が親を思う心よりも、親が子供を思う心の方が勝るものだ。今日の斬首される自分をどう思うだろう。


吉田松陰 (岩波文庫)

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武士道 (岩波文庫 青118-1)

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