NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

菜食主義者による襲撃相次ぐ

「『刑務所に入る覚悟』 菜食主義者による襲撃相次ぐ フランス」(AFP BB NEWS)
 → http://www.afpbb.com/articles/-/3191492

【9月30日 AFP】精肉店を営むエリザベット・キュレ(Elisabeth Cure)さんは今月後半に入り、伝統的に肉食を好むフランス人の食生活を変革しようと活動している「急進的ビーガン(完全菜食主義者)」グループの投石で、パリの南西50キロに位置する静かな町、サンタルノーアンイブリン(Saint-Arnoult-en-Yvelines)にある店の窓ガラスを割られる被害を受けた。

 キュレさんがAFPに語ったところによると、投石があったのは午前3時ごろで、店の上階で就寝中だったキュレさんは驚いて目を覚ました。ここ1年フランス各地で起きている似たような事件と同様に、店頭には「(家畜への)弾圧をやめろ」という示威的な落書きが残されていた。「これで急進的ビーガンの仕業だと分かったのです」

 精肉店に対するビーガンの襲撃や脅迫がこのように過激化したため、全国1万8000店が加盟している「フランス食肉専門店・食肉ハムソーセージ専門店・総菜店連盟(CFBCT)」は6月に緊急事態だと表明し、政府に保護を要請した。ジャンフランソワ・ギアール(Jean-Francois Guihard)会長はAFPに「今年に入って17軒の精肉店が店の窓を壊された。破壊行為は何十回もあった」と話した。また「国は何らかの措置をとる必要がある」とした上で、精肉店を脅かす活動を「一種のテロ」と批判した。

 フランスの食肉消費は、健康へのリスクや価格上昇、アニマルライツ(動物の権利)への意識の高まりを要因として1990年代末から徐々に減少しているものの、多くの人は引き続き堂々と肉を食べている。ただ、少数派の急進的なアニマルライツ擁護団体は、畜産業界や食肉業界の動物虐待や残虐行為をことさら強調することで、食生活を転換させようとしている。

■和解見えぬ一方、完全菜食主義も支持広げる

 従来こうした団体はパンフレットの配布やデモなどの活動をしていたが、ここ数年は食肉処理場に不法侵入したり、食肉加工プラントに血のりをまき散らしたりといった直接行動に出るようになっている。

 このところの精肉店襲撃について責任を問われた団体は今のところないが、「L214」や「269ライフ・フランス(269 Life France)」、「ブシェリー・アボリシオン(Boucherie Abolition、肉屋廃止の意)」などの団体は、強硬な働きかけを行う戦術の先頭に立っている。ブシェリー・アボリシオンと269ライフ・フランスは9月22日、全国各地の精肉店の前でデモを実施した。パリ市内で子豚の死骸を持ってデモを行った活動家の一人は、精肉店の窓ガラスを割ることを非難せず、「いざとなったら刑務所に入る覚悟はできている」「われわれの活動で制限されているのは対人暴力のみだ」などと語った。

 家畜飼養や食肉処理で生計を立てている人々と、動物の大量殺害を止めさせようと活動している人々の間で、衝突が発生するリスクは高まりつつあるようだ。南部モンペリエMontpellier)にあるポールバレリー・モンペリエ第3大学(Paul-Valery University Montpellier 3)の研究者、マリアンヌ・セルカ(Marianne Celka)氏は、両者が和解する可能性は「ない」との見方を示した。ただ、大手スーパーの精肉売り場の向かい側に「100%ビーガン」の食品売り場が設けられている事例もあると指摘し、ビーガニズム(完全菜食主義)はフランス国内で支持を広げつつあると述べた。(c)AFP/Guillaume DECAMME


賢人に曰く、

 自分だけの正義というものはなく、正義はつねに主張のうちにある。相手のため、他人のためと言ったこところで、どうしても人を強制することになる。強制それ自体が悪であるばかりではない。どんな正義もその半面には不正と必然悪をともなってをり、そこには人を益するものがあると同時に人を害するものがあるのだ。

── 福田恆存(『日本への遺言』)

日本への遺言―福田恒存語録 (文春文庫)

日本への遺言―福田恒存語録 (文春文庫)

一日一言「光陰矢の如し」

九月三十日 光陰矢の如し


 月日のたちのは早いもので、昨日まで青々していた田んぼも、今日ではすっかり色が変わり山の木の葉も風で散り、まさに秋の景色となった。それにつけても、世は常ならず、この世の流れはさておいても、自分の周りの人々のことでも、変化は数多くある。


  昨日見し人はと問へば今日はなし
      明日また我れも人に問はれん

── 新渡戸稲造(『一日一言』)



人間は悲しいものだ。

 人間は悲しいものだ。切ないものだ。苦しいものだ。不幸なものだ。なぜなら、死んでなくなつてしまふのだから。自分一人だけがさうなんだから。銘々がさういふ自分を背負つてゐるのだから、これはもう、人間同志の関係に幸福などありやしない。それでも、とにかく、生きるほかに手はない。生きる以上は、悪くより、良く生きなければならぬ。

── 坂口安吾『教祖の文学』

一日一言「倹約」

九月二十九日 倹約


 気を長く心をおだやかに持って、すべて倹約につとめ、金をたくわえることである。倹約は不自由なことに耐えることである。この世に客として来たと思えば、何も苦しいことはない。朝夕の食事がうまくなくても、おいしいとほめて食べることだ。もともと客の身であるから、好き嫌いは言えまい。今日一日をじっとこらえて子孫、兄弟にうまくあいさつをして、しばらくのおいとまを申し出るのが良い。これは、伊達政宗の教訓である。

── 新渡戸稲造(『一日一言』)

「生き延びる力」を養うために

野口さん続き。


「【野口健の直球&曲球】『生き延びる力』を養うために」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/180920/clm1809200005-n1.html

 度重なる豪雨災害に対し「異常気象」という言葉をよく耳にするが、僕の記憶を遡(さかのぼ)っていくと、ヒマラヤでも同じような事が言われ続けてきた。あれは確か1990年代中頃だったか、エベレスト遠征中にベースキャンプで雨が降り、驚かされ、またハエが飛んできた時には「エベレストにハエ!」と世界的ニュースとして大々的に報じられた。当時、異常現象として話題を集めた、これらの出来事は今では普通になっている。

 素人的な発想だが、繰り返されるということは、もはや「異常事態」ではなく、「気候が変動」してきているのだろう。つまり、「変わってきたのだ」と。人は経験則で物事を判断したくなる。今夏の豪雨災害の際も被災された高齢の方々から「こんな雨は生まれて初めて」と。「避難勧告が出されたのになぜ、避難しなかったのですか」とマイクを向けられ、「今までこんな被害は起きなかったから大丈夫だと思った」。

 今夏の度重なる自然災害は「たまたま集中した」だけのことなのか、それとも「毎年のように繰り返していく」ことになるのか分からないが「災害はやってくるものだ」と心し、備えていた方がいいだろう。災害に強い街づくりも待ったなしだろうし、同時に災害に強い人づくりも必要だろう。まず必要なことは自分の命を守ること。自分の命を守れてこそ人の命を救えるのだ。そして、この国ならば災害規模にもよるが、3日ないし5日を自力で生き延びれば国がなんとかしてくれる。

 そこで1つ提案がある。「生き延びる力」を養うためにも自然体験にもっと目を向けてほしい。自然体験はそれこそ「プチピンチ」の連続である。その「プチピンチ」から人々は生命力をつける。確かタイの学校ではボーイスカウトが授業のカリキュラムに含まれている。合宿への参加も義務付けられており、その課程をクリアしないと進級できないとのこと。日本ではボーイスカウト人口が年々減少し続けている。様々な習い事も結構であるが、「勉強できる」ということよりも「生き延びる力」の方が大切ではないだろうか。


何を隠そう、ぼくもボーイスカウト出身。


そなえよつねに。

ボーイスカウトのモットーは"Be prepared"「そなえよつねに」(備えよ、常に)。
備えるのは物ばかりでなく、むしろ、心の準備。
何事にも動じない心の準備を。


そういえば、ガールスカウト出身の小池百合子氏の座右の銘も「そなえよつねに」。
google:小池百合子 そなえよつねに


『ちかい』と『おきて』

『ちかい』

私は、名誉にかけて、次の3条の実行をちかいます。

  • 1. 仏(神)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。
  • 1. いつも、他の人々をたすけます。
  • 1. からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。

『おきて』

  1. スカウトは誠実である。
  2. スカウトは忠節を尽くす。
  3. スカウトは人の力になる。
  4. スカウトは友誼に厚い。
  5. スカウトは礼儀正しい。
  6. スカウトは親切である。
  7. スカウトは従順である。
  8. スカウトは快活である。
  9. スカウトは質素である。
 10. スカウトは勇敢である。
 11. スカウトは純潔である。
 12. スカウトはつつしみ深い。

当時の『おきて』は12だが、現在は8つらしい。


『World Organization of the Scout Movement』 http://www.scout.org/
ボーイスカウト日本連盟』 http://www.scout.or.jp/

野口健、北海道旅行=「不謹慎」に反論

野口健、北海道旅行=『不謹慎』に反論 『全くもって現地の状況を理解していない』」(J-CAST
 → https://www.j-cast.com/2018/09/20339099.html

 北海道で最大震度7を記録した地震の影響をめぐる風評被害に物申す動きが広がっている。

 アルピニスト野口健さんが2018年9月18日にツイッターで明かしたところによると、友人が震災後に北海道を旅行したことをブログに書き込んだところ、「不謹慎だ!」と主張する声が寄せられ「炎上」した。ただ、実際には被害が深刻でなかった地域でもキャンセルが相次ぐ「風評被害」の方が深刻で、野口さんは「全くもって現地の状況を理解していない意見」だと一刀両断している。


「全くもって現地の状況を理解していない意見」
 道内観光をめぐる風評被害は、マスコットキャラクター「まりもっこり」が9月13日、ブログで

「ご存知の通り北海道は デッカイドー です。被災地域以外は元気なのです。その元気な地域が元気じゃなくなると、支えられなくなってしまいます」

などと訴えて反響を広げたばかりだ。それでも北海道観光に否定的な考えを持つ人は残っているようで、野口さんは9月18日、ツイッターに憤りをぶつけた。

「僕の友人が震災後に北海道を旅したら彼のブログが炎上!『こんな時に旅行するとは不謹慎だ!』みたい。しかし全くもって現地の状況を理解していない意見。観光のキャンセルがどれだけ北海道を苦しめているのか。僕も時間を作り北海道を旅します!」

 熊本地震で被災した熊本市からも北海道支援の声があがっている。大西一史市長は9月15日にツイッターで、

「連休もしよければ北海道に観光に行って下さい。北海道に行って泊まって美味しいもの食べるだけで復興支援です。熊本の私がお願いするのもなんですが熊本地震後、地震の影響の無い九州各地でキャンセルが相次ぎ大変でしたので気持ちがわかります」

などと風評被害の厳しさを思いやった。

観光復興に向けた北海道知事からのメッセージ

 皆様には、北海道に多くの思いを寄せていただいていることに心から感謝いたします。地震による交通や宿泊など、観光客の受入には全く支障がない状況ですので、北海道にこれまでと同様に、国内外から多くの方々のお越しをお待ちしております。

「観光復興に向けた北海道知事からのメッセージおよび北海道旅行の安全情報」については、以下からご覧ください。

 → http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kankoumessage.htm


「GOOD DAY 北海道」(北海道観光振興機構)
 → https://www.visit-hokkaido.jp


平成30年度北海道胆振東部地震で被害を受けられた皆様には、お見舞い申し上げます。


北海道への観光旅行を予定されている皆様へ

現在、札幌をはじめ道内の観光地は各地通常通り観光いただけます。
ぜひ、北海道旅行をお楽しみいただくとともに、旅で北海道を応援していただけますと幸いです。
»主な観光地の情報はコチラ
»各地域からの「元気です!北海道」動画メッセージ
»北海道各地のライブカメラ


また、交通機関の最新情報につきましては、下記ウェブサイトをご確認いただけますよう お願いいたします。
【北海道 旅の安全情報】
http://safety-travel.jp/

八雲忌

 日本人ほど、おたがい同志楽しく生きていく秘訣を徹底的にこころえている国民は、よその文明人のなかにもちょっとあるまい。人間の楽しさは、当然自分の周囲の人たちのしあわせにあるのだから、それにはおのれを虚しくして、なにごとも辛抱我慢すること、この修養にまつよりほかない。この真理を、日本人ほどあまねく会得している国民は、ほかにないだろう。

── 小泉八雲(『日本瞥見記』)

明治37年(1904)9月26日、小泉八雲ラフカディオ・ハーン)没。


『八雲会 - The Hearn Society』 http://yakumokai.org/
小泉八雲記念館』 http://www.matsue-tourism.or.jp/yakumo/


日本の心 (講談社学術文庫)

日本の心 (講談社学術文庫)

怪談・奇談 (講談社学術文庫)

怪談・奇談 (講談社学術文庫)

神々の国の首都 (講談社学術文庫)

神々の国の首都 (講談社学術文庫)

十六夜

『投石事件』

「今晩もぶら下げっていやがる」
 石を投げつけるカチン!
「あ痛た 待て!――」
 お月様は地に飛び下りて追っかけてきた ぼくは 逃げた 垣を越え 花畠を横切り 小川をとび 一生懸命に逃げた 踏切をいま抜けようとする前をヒューと急行列車がうなりを立てて通った まごまごしているうちに うしろからグッとつかまえられた お月様はぼくの頭を電信柱の根元でガンといわした 気がつくと 畑の上に白い靄(もや)がうろついていた 遠くではシグナルの赤い目が泣いていた ぼくは立ち上がるなり頭の上を見て げんこを示したが お月様は知らん顔をしていた 家へ帰るとからだじゅうが痛み出して 熱が出た
 朝になって街が桃色になった頃 いい空気を吸おうと思って外へ出ると 四辻(よつつじ)のむこうから見覚えのある人が歩いてきた
「ごきぶんはどうですか 昨夜は失敬いたしました」
 とかれが云った
 たれかしらと考えながら家へ帰ってくると テーブルの上に薄荷水(はっかすい)が一びんのっていた

ではグッドナイト! お寝みなさい 今晩のあなたの夢はきっといつもと違うでしょう

── 稲垣足穂『一千一秒物語』

一千一秒物語』(松岡正剛の千夜千冊) http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0879.html

一千一秒物語

一千一秒物語

一千一秒物語 (新潮文庫)

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