プロバイオティクスが健康を害する可能性
「プロバイオティクス(機能性細菌食品)は健康を害する可能性もある」(ライフハッカー)
→ https://www.lifehacker.jp/2018/09/probiotics-can-potentially-hurt-you-it-turns-out.html
ドラッグストアにたくさん並んでいるサプリやドリンクは、必ずしも効能が実証されていなくても、少なくとも身体に害はないだろうと思って買うことが多いのではないでしょうか。プロバイオティクス(機能性細菌食品)もその中の1つです。
プロバイオティクスとは、乳酸菌やビフィズス菌に代表される人体に良い影響を与えるとされる微生物を含む製品や食品のことです。ところが、プロバイオティクスは場合によっては身体に害を及ぼす可能性があることが、最近実証されました。
摂取して感染症が悪化した事例も
この研究はマウスを対象にしていますが、人体にも同じような影響がある可能性を示唆しています。幼い子どもがかかりがちな下痢性感染症の原因となる寄生生物、クリプトスポリジウムには、現在有効な薬もワクチンもありません。そこで研究チームはプロバイオティクス(具体的な商品名は発表されていません)を試してみることにしました。
クリプトスポリジウムを植え付けたマウスに市販のプロバイオティクスを投与した結果、投与しなかったマウスより感染症が悪化したのです。
「善玉菌」は「悪」と常に戦うヒーローではない
プロバイオティクスに含まれる細菌は、一般的に「善玉菌」と呼ばれていますが、決して感染症をやっつけるスーパーヒーローではなく、通常は人間の体内にいる無害な細菌でしかありません。人間の腸内で何が起こっているのか、それぞれの微生物がどのような役割を果たしているのかは、いまだに完全には解明されていません。
どのプロバイオティクスがどのような場合に、どういった治療に役立つのかを調べる研究が続けられていますが、その人の腸内に自生している菌によって左右されるようです。
ですから、プロバイオティクスは常に「悪玉」と戦う「善玉」であると思い込むべきではありません。
初めて試すときは実験のようなもの
いくつかのブランドのプロバイオティクス製品は、特定の症状の治療に有効であることが実証されています(そのリストはこちらから)。とはいえ、プロバイオティクスの研究は、まだ初期段階であり、わかっていないことがたくさんあります。
ですから、今まで飲んだことがないプロバイオティクスを試してみるときは、多少なりとも自分の身体で人体実験をしていることになります。効果のほどは、神のみぞ知るです。
サプリメントや薬の摂取と効果に似ている
これは、サプリメントや効き目がわからない薬を飲むときと似ています。たとえば、ホメオパシーの「レメディ」は基本的に水だとされていますが、有毒物質を含んでいることもありますし、最近では汚染水が含まれていることもあるようです。
風邪薬は本物の薬ですが、効かないこともあります。ビタミンは健康維持に必要なものですが、摂取しすぎると病気になることもあります。
ですから、現時点でプロバイオティクスに関して言えることは、身体に良いこともあれば、逆効果になることもありえるということです。