『大衆への反逆』
危険な思想家をさけて自分を甘やかしてくれる安全な思想家のそばに蝟集(いしゅう)するのは、大衆人のやり方である。真の強さは、おそらく、危険な思想家を黄泉から呼びもどし、それと対話するという、ホイジンガいうところの”真剣な遊び”をつうじて形成されるものなのではないだろうか。
── 西部 邁(『”高度大衆社会”批判 ─オルテガとの対話』)
「評論家・西部邁さん死去 多摩川で自殺か 78歳、正論執筆メンバー(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/life/news/180121/lif1801210033-n1.html
保守派の論客として知られる評論家の西部邁(すすむ)さん(78)=東京都世田谷区=が21日、死去した。
警視庁田園調布署によると、同日午前6時40分ごろ、東京都大田区田園調布の多摩川河川敷から「川に飛び込んだ人がいる」と110番があった。飛び込んだのは西部さんで、署員らが現場に駆け付け病院に搬送されたが、死亡が確認された。
同署によると、目立った外傷はなく、付近で遺書のような文書が見つかった。自殺とみられる。
西部さんは21日未明から行方不明になっていた。同居する家族が探していたところ、多摩川で流されている西部さんを発見し、通報したという。
西部さんは北海道出身。東大経済学部に在学中、全学連中央執行委員として安保闘争に参加し、学生運動の指揮を執った。大学院では経済学を専攻し、横浜国立大や東大などで教鞭(きょうべん)をとる傍ら大衆社会論を軸とした評論活動を開始。「経済倫理学序説」で吉野作造賞、「生まじめな戯れ」でサントリー学芸賞を受賞した。
東大教授時代の昭和63年、助教授の推薦をめぐって教授会で否決されたことに抗議して辞任。以降、テレビの討論番組などに定期的に出演し、晩年は自ら発刊した雑誌を舞台に言論活動を展開した。
正論執筆メンバーで、平成4年には戦後日本でタブー視された改憲論を正面から取り上げるなどの精力的な評論活動により、第8回正論大賞を受賞した。
「【西部邁さん死去】『俺は本当に死ぬつもりなんだぞ』 妻の死から思索深め…」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/life/news/180121/lif1801210036-n1.html
「【西部邁さん死去】田原総一朗さん『曖昧なことが大嫌いな人。近く会いたいと思っていた』」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/life/news/180121/lif1801210035-n1.html
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