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NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

立志尚特異

 思想とは本来、人間が考えだした最大の虚構──大うそ──であろう。松陰は思想家であった。かれはかれ自身の頭から、蚕が糸をはきだすように日本国家論という奇妙な虚構をつくりだし、その虚構を理論化し、それを結晶体のようにきらきらと完成させ、かれ自身もその「虚構」のために死に、死ぬことによって自分自身の虚構を後世にむかって実在化させた。これほどの思想家は日本歴史のなかで二人としていない。

── 司馬遼太郎(『世に棲む日日』)


松陰先生に曰く、

立志尚特異

俗流與議難

不思身後業

且偸目前安

百年一瞬耳

君子勿素餐

  • 立志は特異を尚(たっと)ぶ ── 志を立てるためには人と異なることを恐れてはならない
  • 俗流は与(とも)に議し難し ── 世俗の意見に惑わされてもいけない
  • 身後(しんご)の業を思はず ── 死んだ後の業苦を思い煩うな
  • 且つ目前の安きを偸(ぬ)すむ ── 目先の安楽は一時しのぎと知れ
  • 百年は一瞬のみ ── 百年の時は一瞬にすぎない
  • 君子素餐(そさん)するなかれ ── 君子なれば現状に甘んじてはならない


安政6年(1859)10月27日 吉田松陰 没。

 彼は多くの企謀を有し、一の成功あらざりき。彼の歴史は蹉跌の歴史なり。彼の一代は失敗の一代なり。然りといえども彼は維新革命における、一箇の革命的急先鋒なり。もし維新革命にして云うべくんば、彼もまた伝えざるべからず。彼はあたかも難産したる母の如し。自ら死せりといえども、その赤児は成育せり、長大となれり。彼れ豈(あ)に伝うべからざらんや。

── 徳富蘇峰(『吉田松陰』)


吉田松陰』(Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E6%9D%BE%E9%99%B0
松下村塾』(Wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E4%B8%8B%E6%9D%91%E5%A1%BE

吉田松陰 (岩波文庫)

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講孟余話 ほか (中公クラシックス)

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吉田松陰 留魂録 (全訳注) (講談社学術文庫)

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