NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

DYLAN

「【ノーベル賞文学賞ボブ・ディラン氏 『新たな詩的表現を創造』 村上氏は受賞逃す」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/world/news/161013/wor1610130041-n1.html

 スウェーデン・アカデミーは13日、2016年のノーベル文学賞を米国のシンガー・ソングライターボブ・ディラン氏(75)に授与すると発表した。授賞理由は「偉大な米国の歌の伝統に、新たな詩的表現を創造した」としている。有力候補に挙がっていた村上春樹氏は受賞を逃した。

 スウェーデン・アカデミーの委員は現地でのインタビューで、「伝統を具現化し、50年以上、新たなアイデンティティーを創造することに、自らの心血を注いだ」と評した。

 フォークソングの代表格として知られ、反戦運動や人権活動にも大きな影響を与えた。メッセージ性の強い「プロテストソング」を次々と発表し、「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリング・ストーン」など、数々の名曲は日本を含む世界各国で広く知られている。

 2008年にはたぐいまれな詩の素晴らしさと、米国文化への貢献などが評価され、ピュリツァー賞の特別賞を受賞。12年には米国で文民最高位の勲章となる「大統領自由勲章」を受章。ノーベル賞でもしばしば名前が取り沙汰されていた。

 1941年、ミネソタ州ダルース生まれ。ミネソタ大学中退後、音楽活動に専念するためニューヨークに移った。62年にアルバム「ボブ・ディラン」でデビューした。

 賞金は800万クローナ(約9400万円)。授賞式は12月10日ストックホルムで行われる。

「【ボブ・ディランノーベル賞】『やっとまっとうな賞に』 米文学者の佐藤良明さん」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/life/news/161013/lif1610130037-n1.html
「【ボブ・ディランノーベル賞】『暗喩や隠喩ちりばめる』 音楽評論家の萩原健太さん」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/life/news/161013/lif1610130043-n1.html
「【ボブ・ディランノーベル賞】『文学の原点回帰』 文芸評論家の川村湊さん」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/life/news/161013/lif1610130035-n1.html


うちのディラン。


伝説の1966年、ロイヤル・アルバート・ホール。
アコースティック・ギターをエレキに持ち替え、ロックへ転向するディランを良しとしないフォーク信者ファンの罵声、"Judas!"(ユダ!、裏切り者)、 "I'm never listening to you again, ever!"(二度と聴いてやらない!)。
対し、 "I don't believe you."(俺はお前を信じない) 、 "You're a liar." (お前は嘘つきだ) "Play it fuckin' loud." (騒がしく演奏してやろうぜ)。

リアル・ロイヤル・アルバート・ホール

リアル・ロイヤル・アルバート・ホール


my favorite.
『DIGNITY』

大男は剣に やせた男は最後の食事に

うつろな男は畑に 人の尊厳を探す


賢者は一枚の葉に 若者は行き交う影に

貧者はガラス越しに 尊厳を探す


大晦日の殺人は尊厳を奪うと人は言う

方々の町を訪ね 白夜の夜を旅した


天を仰ぎ 地を這って探し回った

警官にも尋ねた 「尊厳を知らないか?」


盲目の男が大ばくちを打つ

たった一度 尊厳を見せたくて

結婚式の花嫁は俺を見て逃げ出す

尊厳の話なんかしたら殺されると


肉をついばむハゲタカを遠くに眺め

天使の声も 人の言葉も聞いてみた


外は身を刺す寒さ 台所は火の車

俺は女に聞く 「尊厳をどこへやった?」


酔っ払いは罵声が響く酒場の鏡に

置き去りにした 自分の尊厳を探す


貴族は匿名なら 情報をやると言う

ただし前払い 尊厳なんて信じてない


銀色の砂浜を歩き 異国をさまよい

絶望の町で 異教徒と神の子に会った


逃げ場もなく 俺は急流を渡る小舟の上

そこで 人が書いた尊厳の本を読む


病人は医者に頼り 占いに救いを求め

文字の名作に尊厳を探す


紳士は逆風の風の中で 髪をなおす

歯を食いしばって尊厳を守りながら


写真を見ても 尊厳は写ってない

俺は四苦八苦して 夢の狭間を行く


歩き 恐れ 絶望し 今また立ち止まる

どこまで行けば尊厳は見つかるのか

── BOB DYLAN "DIGNITY"


All Along the Watchtower(見張塔からずっと)

Blowing In The Wind(風に吹かれて)

ボブ・ディラン自伝

ボブ・ディラン自伝

現代思想2010年5月臨時増刊号 総特集=ボブ・ディラン

現代思想2010年5月臨時増刊号 総特集=ボブ・ディラン