政治的プロパガンダ
「川柳がプロパガンダにすり替わり 地下鉄内の広告で複数見つかる『産経、読売は政党機関紙』 精巧ないたずらか」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/affairs/news/160428/afr1604280034-n1.html
地下鉄のドアなどに貼付された広告を加工しそっくりに似せた上で、「産経新聞は権力べったり」などと政治的な主張を載せた「偽広告」ともいえる印刷物が東京メトロで複数枚見つかっていたことが、分かった。東京メトロは「4月になって1枚見つかった」としており、悪質ないたずらとして対応を検討している。(三枝玄太郎)
不審な「偽広告」は、4月25日午後1時過ぎ、記者が地下鉄半蔵門線大手町~神保町間を走行中の地下鉄車両に乗っていた時に見つけた。
東京メトロによると、広告は大手化粧品会社「資生堂」(東京都中央区)が平成24年ごろから始めたという。地下鉄の出入口ドアの左右にピンクを基調としたステッカー広告で、左に資生堂が発売している化粧品「エリクシール」を、右側に「大人女子のあるある川柳」が掲載されている。
川柳は公募し、当選したものを広告に掲載している。今年は3月から応募を開始しており、6月に締め切られる。小型サンプルセットや体感サンプルセットなどが賞品として当たる。
「よく寝ても 寝不足なのと 気遣われ」「疲れてる?直訳すると顔ヤバイ」など、女性の肌の悩みなどをウイットに富んだ言い回しで表現したものが多い。
ところが、本来は「5・7・5」の字数であるべき川柳が、一部の広告には「最近の読売や産経のように、あまりにも権力べったりになるなら“政党機関紙”でいい。新聞は『アベノミクスで景気が良くなる』と言うが、ウソばっかりだ。報道ではなく、政権の応援だよ」という、およそ川柳とは言えない政治的プロパガンダにすり替えられていた。
カラーコピーして本物の広告そっくりに似せて作られ、本物のステッカー広告の上に別のものを貼ったとみられる。「ELIXIR」「エリクシール体感 検索」といった細かい部分まで酷似していた。
東京メトロは「これまでにもたまに見つかっていた。4月に入ってからは東西線で1件見つけた」としており、複数枚あるとみられる。
一方、資生堂広報部は「当社が政治的な主張を化粧品の広告に掲載することはあり得ません」と答え、悪質ないたずらとみて警察や東京メトロと対応を検討することにしている。
弁護士は「選挙ポスターの上に政治的プロパガンダを書いたシールを貼り、公職選挙法違反に問われたケースがある。メトロの場合は、選挙ポスターではなく広告なので、酷似させてその会社の広告の価値を減殺させたことが立証されれば、偽計業務妨害の罪に問われる可能性がある」と話している。
ネット上でも、これまでに「地下鉄内にて広告テロ発見」として、短文投稿サイト「ツイッター」の一部にこの「偽広告」を取り上げた投稿もある。
善かれ、と思っての行動なのだろうけれど、テロ活動のそれと変わらない。
『2016年04月27日(Wed) 計らいを越えて』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20160427
自分だけの正義というものはなく、正義はつねに主張のうちにある。相手のため、他人のためと言ったこところで、どうしても人を強制することになる。強制それ自体が悪であるばかりではない。どんな正義もその半面には不正と必然悪をともなってをり、そこには人を益するものがあると同時に人を害するものがあるのだ。
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