NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

週30分の読書

「週に30分の読書で、より幸せに、そして健康に」(Lifehacker)
 → http://www.lifehacker.jp/2015/08/150830books_reading.html

Inc.:ほんのわずかな努力と時間で、幸せや健康、生産性など、とてつもない恩恵が受けられることがあります。例としてヨガを取り上げてみましょう。昼食のちょうど20分後に行うと、脳の機能をかなり高めることができます。また、昼寝(パワーナップ)はどうでしょう。1時間未満の昼寝であれば、記憶力を5倍高めます。そして、朝に適当な栄養を取るようにしてください。そうすれば、一日中元気でいられます。
それでは、大きな利益をもたらすちょっとした習慣として他に何ができるのでしょうか?研究によると、週に少なくとも30分、読書を楽しむのが良いそうです。


定期的な読書:健康のための魔法の万能薬

リバプール大学の「Centre for Research Into Reading, Literature and Society(読書、文学および社会の研究センター)」のJosie Billion氏が運営するイギリスの「Quick Reads」の研究によると、4000人以上の成人の調査によって、定期的な読書習慣が健康と幸せ両方に与える影響に関して、驚くべき事実が明らかになったのです。
1週間に30分以上読書する人は、生活の満足度が20%以上高く、クリエイティブなであると感じることが11%高いそうです。さらに憂鬱になる可能性は28%低く、18%以上高い自尊心を持つのだそうです。たとえありふれた心配事があっても、読書はおそらくその助けとなるでしょう。本を読むことは、友人とおしゃべりしたり散歩したりするよりも、より効果的に不安を解消してくれるそうです。そして5人にひとりの回答者(19パーセント)は、読書をすると孤独をあまり感じないという事実もあります。
この調査によると、読書は共感を高め周囲によりつながりを感じるようになるということを示しています(本を読む人は、読まない人と比べて、知らない人との会話がより快適に感じられるそうです)。さらに、孤独を感じにくくなることで、困難を乗り越えることができます。そしてもちろん、物事を学ぶ良い方法でもあります。本を読む人は、驚くまでもなく、より広い一般知識や異文化の認識を持ち、より豊かな人生経験をしているのです。
しかし、本を読む利点は、単に気持ちの問題ではありません。定期的な読書によって不眠症が治ったという報告もありました。しかし、体と脳において、読書が良い影響を与えることを示す研究は他にもたくさんあります。
「読書の楽しみは、一般的に、ストレス、憂鬱や認知症の予防にもなるでしょう」と、英国読書協会のCEO、Sue Wilkinson氏は米国の『Fast Company』誌で最近こう言いました。米国の大規模な研究によると、他の趣味に加えて読書にもっと入れ込むことは、認知症のリスクの低下に関係しているそうです。
ウォーレン・バフェット氏からビル・ゲイツまで、非常に成功した人々が、企業家になるために読書をすることを絶えず訴えるのも不思議ではありませんね。あなたは、読書をしていますか?

Reading 30 Minutes a Week Can Make You Happier and Healthier|Inc.

渡部昇一 青春の読書

渡部昇一 青春の読書

 故に私は一言最後にこういっておきたい。先ず読書には或る意味に於いて便法なく、一度は艱難(かんなん)して苦しまなければならぬ。その代わりに艱難したならば、後は自由自在に、日本の本ならば縦に読まずに横に読み、西洋の本ならば横に読まずに縦に読むことが出来るようになる。それには練習と見識、見識というのは自分は何を望むかということ、何のために本を読むのであるか、今日は暑いし、昼寝をしようと思うが、眠りを助けるために本を読むのだ。演説をするのに何か面白い例を引くために読むのである。今度は自分の心に一つの疑いがあって、それを解決するために読むのであるというように目的に依って違う、随って見識によって違うのである。だから目的と見識が備わった以上は先ず第一に古典を読んで、それもみな読めということではない、バイブルならバイブル、プルタークならプルターク、シエイクスピヤならシエイクスピヤ、何か一つを熟読する。そうして後の方は参考にする。外の書物は自分の尊敬する人の教を補うために使うだけであって、そうなって来ると大きな心棒だけは決まる。それに外のものは皆付けて行くのであって、だから物を言っても、沢山の本を読んでいるから脱線するだろう、しかし心棒が動かぬ以上は皆元に戻ってくる。多読病に掛った奴は話をしても脱線脱線で元に戻ってこない。何を話しているか訳が分からなくなってくる。そうなると話ばかりでなく、人間そのものまで無頼漢になってしまう。何をしても特徴がなくなる。何をやっても駄目になる。この特徴は必要なことで、こういう時になって、初めて読書が人間を拵えることになる。読書にして人間を拵えることに貢献しないならば、これはただ漫談家を作るに過ぎまい。

── 新渡戸稲造(『読書と人生』)

新渡戸稲造論集 (岩波文庫)

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