神の子
「自閉症の息子を侮辱された母親の反応が素晴らしいと話題/世界に拡散&多くの人が怒りをあらわに」(Pouch)
→ http://youpouch.com/2013/09/13/134168/
先月16日、カナダに住むとある家族の元に、1通の怖ろしい手紙が届きました。
「あるいらだつ母親より」と文中に記された匿名のその手紙には、家族の一員である13歳のマックスくんへ対する心ない言葉、差別ともとれる言葉が、矢のように散りばめられていたのだそう。
海外サイト『HUFF POST』によると、マックスくんは重い自閉症を抱えており、どうやらそのことが、この手紙の差出人をひどくいらだたせている模様。以下に記載したのは、実際に手紙に記された一部抜粋です。
「お宅のお子さんが外で騒いでいる様子は恐ろしい。外で遊ばせたいのなら公園に行け!」
「ほかの騒音なら我慢できるが、お宅のお子さんには我慢できない!」
「誰が彼の面倒を見続けるの? 就職もできないだろうし、女の子と付き合うこともできなければ結婚もできない」
「個人的な意見ですが、お子さんの病気でない体の部分を医学のために提供すべきでは?」
「この地域から引っ越すか、それとも彼を安楽死させるか決めた方がいい」と、ここまで読んだだけでも、その内容の酷さをうかがい知ることができるでしょう。手紙によって身の危険を感じた一家は現在、手紙の差出人を刑事告発することも考えているそうで、警察の協力体制の元近隣住民総出で、マックスくんを守ろうと対策を練っている最中なのだそうです。
数日後、マックスくんの母親カーラさんは、今回の事件に対し次のようなコメントを発表しました。
「自閉症に関してよく知ってもらい、公然と議論する勇気を持つこと、それがこのような事態を招かないための第一歩だと、私は考えています。マックスの行動によって悩まされているというのであれば、このような手紙でなく、きちんとその旨を知らせてくれればよかった」
「例えば小さな子供は、“どうしてあの子は普通に話すことができないの?” と臆せず私に質問してきます。その際子供の母親たちはバツの悪そうな顔をするだけですが、それがいけないと私は思うのです。自閉症はこういうもので、決して伝染病などの類ではないのだ、ということを、きちんと子供たちに話す。障害を持つ人間も、あなた方と同じ人間なのですから」
怒るのではなく、その前にまず自閉症のことを理解してほしい。無知から生まれる悲劇を一掃したい。そう訴えるカーラさんは、マックスくんは天の恵みだと、同サイトの取材で述べています。
「マックスは私たちに、純粋な喜びと愛を、日々もたらしてくれます。生命とはなにか、人生で重要なこととは何なのか。彼はそれを教えてくれた。そんなマックスから、どうか安心と幸せなときを奪わないでほしいのです」
マックスくんとその家族を恐怖に陥れたヘイトレターは、現在ツイッターなどにより猛烈な勢いで世界に拡散されており、その文面に多くの人々が怒りをあらわにしている模様。これを機に、世間の自閉症に対する理解が少しでも深まることを、強く願わずにはいられません。
http://www.huffingtonpost.com/2013/08/28/karla-begley-response-hate-filled-autism-note_n_3831153.html
このニュースが日本にまで伝わって来るということは、人間の良心もまだまだ捨てたものじゃない。
彼らには神が宿っている。
「マックスは私たちに、純粋な喜びと愛を、日々もたらしてくれます。生命とはなにか、人生で重要なこととは何なのか。彼はそれを教えてくれた。そんなマックスから、どうか安心と幸せなときを奪わないでほしいのです。」── Karla Begley
『2013年08月05日(Mon) 忘れな草の花を御存じ?』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20130805
「兄は僕をより良い人間にしてくれている気がするんだ。小さなことから幸せを発見すること、我慢をすること、理解すること、そして展望すること。僕は日々、兄から本当にたくさんのことを学んでいる。生まれてきてくれてありがとう、心からそう思っているよ。」── Spencer Timme
『2013年08月30日(Fri) Me again.』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20130830
「僕は生きたいと強く望んでいます。病気が改善する薬がほしいです。死ぬのは怖くないけど、両親がとても苦しんでいます。両親のために僕は少しでも長く生きたい。これ以上、両親を苦しめたくないです。」── Ali Hussain Khan
『2006年02月18日(Sat) 運命愛』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20060218
「同じ病気だったジョンはいつもハッピーだった。そのハッピーをもらって今度は私が人に配ってるの。どうしてそんなにハッピーなのか聞かれても分からないけど・・・。人生は不満を言うほど悪いものじゃないから。」── Ashley Hegi
もちろんきれい事だけでは済まされない数々の困難を乗り越えて来たのであろうし、それはこれからも続くのであろうが、越えた困難の数だけ、越えた困難の大きさだけ、幸せも大きなものになる。
と、ぼくは信じる。
花は無心にして蝶を招き、
蝶は無心にして花を尋ねる
花開く時 蝶来たり
蝶来る時 花開く
吾もまた人を知らず
人もまた吾を知らず
知らずして帝則に従う
── 良寛
忘れな草の花を御存じ?