桜桃忌
太宰の自殺は、自殺というより、芸道人の身もだえの一様相であり、ジコーサマ入門と同じような体をなさゞるアガキであったと思えばマチガイなかろう。こういう悪アガキはそッとしておいて、いたわって、静かに休ませてやるがいゝ。
芸道は常時に於て戦争だから、平チャラな顔をしていても、ヘソの奥では常にキャッと悲鳴をあげ、穴ボコへにげこまずにいられなくなり、意味もない女と情死し、世の終りに至るまで、生き方死に方をなさなくなる。こんなことは、問題とするに足りない。作品がすべてゞある。
今日は桜桃忌。
「太宰治:きょう命日『桜桃忌』 64年経て、元隣人証言『奥さんは、げたを抱き放心』」(毎日新聞)
→ http://mainichi.jp/feature/news/20120619ddm041040166000c.html
「【桜桃忌】まるで栄枯盛衰の物語/物思いにふける散策も悪くない」(47NEWS)
→ http://www.47news.jp/47topics/e/230630.php
明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。
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