NAKAMOTO PERSONAL

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辞典

産経新聞『社説』より。
「【主張】辞書の品格 期待するのは“鑑”の役割」
 → http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071028/acd0710280331000-n1.htm

 昭和30年に初版が刊行されて以来1100万部を売り上げた国語辞書『広辞苑』が大改訂し、来年1月に第6版を発売することとなり、話題を呼んでいる。

 第6版は、新たに外来語やカタカナ語、経済・金融、情報通信、環境、福祉などの分野の現代語、また若者言葉や方言、「昭和40年代までの時代相を表す文物・事項」など合わせて約1万項目の新語を採録、総収録項目数は24万に上るという。

 国語辞書といえば今日では60万語余を収録する『日本国語大辞典』第2版が最大で、『広辞苑』『大辞林』などはこれに次ぐ中型の辞書である。

 実用的な小型辞書には例えば『三省堂国語辞典』などがある。この辞書はその第3版の序文に「辞書は、ことばを写す“鏡”」であると同時に「ことばを正す“鑑(かがみ)”」であるとうたい、小型辞書の使命は言葉の変化を「“鏡”としてすばやく写し出すべきだ」と述べている。この文言は辞書に対する国民の平均的な印象をうまくすくい取っている。中型の『広辞苑』のような辞書は“鏡”よりもむしろ“鑑”であることが、より期待されているといって過言ではない。

 『広辞苑』は本義を基本に派生義を後回しにすること、普通は学校文法で教えられる形容動詞を品詞として認めないことなど独自の編集方針を取っている。実用上、引きづらい面があることも否めない。にもかかわらず、売上部数が示す通り国民に広く受け入れられてきたのは、専らこの辞書に“鑑”性が期待されてきたからではなかっただろうか。

 辞書にも編集の自由がある。編集者としては余計なお世話かもしれぬが、そうでなくとも外来語の氾濫(はんらん)やごく狭い世代でしか流通しない特殊な俗語などが国語の土壌を流動化させている。「めっちゃ」「うざい」「いけめん」のような、いつあぶくとなって消えるかもしれない言葉は“鏡”性に重きを置く小型辞書や現代用語・流行語辞典のようなものに任せたらどうか。

 せっかくのサービス精神も、このような語を用いる世代は案外『広辞苑』など引くことがないかもしれない。また、『広辞苑』を愛用する人で、規範性を重視する向きからは辞書としての品格が問われることにもなろう。

広辞苑』(岩波書店) http://www.iwanami.co.jp/kojien/
広辞苑 - Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E8%BE%9E%E8%8B%91

広辞苑の嘘

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お言葉ですが…〈4〉広辞苑の神話 (文春文庫)

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欲しい辞書3点。

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