NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

一日一言「幼児の心」

三月三日 幼児の心


 子供達のひな祭りの様子を見ていると、幼児の優しいしいここにはここには学びたいものがある。大人も幼児のような心を失ってはならず、幼い子のような透明な心は、見習うべきものである。


 <明治天皇御製>
 思ふこと繕ふこともまだ知らぬをさな心のうつくしきかな

 思ふことうちつけにいふ幼子の言葉はやがて歌にぞありける

── 新渡戸稲造(『一日一言』)


小さな王子は言いました。

 おとなというものは、数字がすきです。新しくできた友だちの話をするとき、おとなの人は、かんじんかなめのことはききません。〈どんな声の人?〉とか、〈どんな遊びが好き?〉とか、〈チョウの採集をする人?〉とかいうようなことは、てんできかずに、〈その人、いくつ?〉とか、〈きょうだいは、なん人いますか〉とか、〈目方はどのくらい?〉とか、〈おとうさんは、どのくらいお金をとっていますか〉とかいうようなことを、きくのです。そして、やっと、どんな人か、わかったつもりになるのです。
 おとなの人たちに〈桃色のレンガでできていて、窓にジェラニュウムの鉢がおいてあって、屋根にハトのいる、きれいな家を見たよ・・・〉といったところで、どうもピンとこないでしょう。おとなたちには〈十万フランの家を見た〉といわなくてはいけないのです。すると、おとなたちは、とんきょうな声をだして、〈なんてりっぱな家だろう〉というのです。

── サン=テグジュペリ(『星の王子さま』)

ホムサにも曰く、

「その調子だと、おまえ、すぐにおとなになっちまうぞ」と、ホムサ兄ちゃんがさとしました。
「父さんや母さんみたいな、おとなになるんだ。おまえにゃ、ぴったりだぜ。ごくふつうに見て、ごくふつうに聞くだけのおとなだ。つまり、なーんにも見ないし、なーんにも聞かないってことだな。とどのつまり、おまえは、なんにもできなくなっちまうんだ。」

── トーベ・ヤンソン(『ムーミン谷の仲間たち』)

星の王子さま―オリジナル版

星の王子さま―オリジナル版