一日一言「世の中の不思議」
十月二十日 世の中の不思議
今日は恵比須講といって、商売繁盛を祝う日である。何事も栄え繁盛するには、自分自身の努力であるというのは、安政三年(西暦一八五六年)の今日亡くなった二宮尊徳の教えである。
杣(そま)が深山に入って木を伐るのは、木材が好きにて伐るにあらず。炭焼が炭を焼くのも、炭が好きにて焼くにあらず。夫れ杣も炭焼も、其の職業をさへ勉強すれば、白米も自然と山に登り、海の魚も里の野菜も、酒も油も皆自ら山に登るなり。奇々妙々の世の中なり。
〈二宮尊徳〉
風呂のお湯を、手で自分の方へかき寄せれば、みんな向こうの方へ流れていく。逆に向こうの方へ押してみると、こっちに流れてくる。これが世の道理である。
(これは、「自分のことだけ考えて、幸せを手に入れようとしても、かえって自分のところからは逃げていく。逆に他人のことを考えて、他人の幸せを願い行動すると、結果的に自分も幸せになることができるのである」という意味です。他者に手を差し伸べ、他者のことを第一に考えた尊徳の気持ちがよくわかります。)
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