一日一言「命を懸けて守るもの」
七月十七日 命を懸けて守るもの
人はそれぞれ心の奥に大事なものを持っている。これは各自が崇拝する神がおられるところである。世の中を生きていくうえで、一歩も二歩も他人に譲ることはいいが、人がもし自分の心の中を荒らそうとしたならば、周囲にあるものまでは許すとしても、自分の心中にあるものは命を懸けて守ることこそまごころである。
皆人の詣る社に神はなし心の中に神はまします
千早振る神の社は我が身にて出る入る息は外宮内宮
『イリュージョン』
「人間が学校というフェンスから出ると、そこは、ドラゴンワールド(現実の、悪意に充ちた世界)なわけだ。地球上には三十億だか、四十億だかの人間がいて、おまえはその三十億プラス一の余り者にすぎない、おまえのことなんか誰も関心を持っていやしない、生きていようと死のうと、こっちの知ったことか、みたいな扱いをうけることになる。ある人間がだめになるというのは、そういうことなんだよ。
どうやってそれに対抗するかといったら、やっぱり自分の歌をうたい続けることだと思うね。『うるせえ、おまえのその変な歌をやめねえと張り倒すぞ』かなんか言われて、それでだめになっちゃうことだってあるけど、張り倒されても、まだ歌い続けることだ。
もちろん、ドラゴンワールドにあっては、明日の飯代をどうしよう、今日の部屋代をどうしようなんていうわずらいもある。それはしょうがないから、思いわずらい、駆けずり回りながらでも、自分の歌だけはうたい続けるわけだ。」
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