歳寒の松柏
机の前の日めくり論語。
今日は17日。
歳寒(としさむ)くして、然る後に、松柏(しょうはく)の凋(しぼ)むに、後(おく)るるを知る
子曰く、歳寒くして、然る後に、松柏の凋むに後るるを知る
── 子罕第九
歳寒くもろ樹(ぎ)も彫むその折りに、緑いや濃き松柏の色
寒い冬に、他の植物はしおれても、松や柏(ひのき)は緑を保っているのがわかる。困難や苦難に出会って後、初めて人の真価がわかる。
『會津藩校日新館』 http://www.nisshinkan.jp/
『国乱れて忠臣あらわれ、家貧にして孝子出ず。』で、人間の真価も大困難に遇ってはじめて発揮されるものぞ、という趣旨であることはいうまでもない。今日の日本こそ正に『歳寒くして』だが、われわれ願わくは『凋むに、後るる』松柏の操を堅持したいものだ。
── 穂積重遠(『新訳論語』)
- 作者: 穂積重遠
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