2018-10-20 一日一言「世の中の不思議」 十月二十日 世の中の不思議 今日は恵比須講といって、商売繁盛を祝う日である。何事も栄え繁盛するには、自分自身の努力であるというのは、安政三年(西暦一八五六年)の今日亡くなった二宮尊徳の教えである。 杣(そま)が深山に入って木を伐るのは、木材が好きにて伐るにあらず。炭焼が炭を焼くのも、炭が好きにて焼くにあらず。夫れ杣も炭焼も、其の職業をさへ勉強すれば、白米も自然と山に登り、海の魚も里の野菜も、酒も油も皆自ら山に登るなり。奇々妙々の世の中なり。〈二宮尊徳〉 ── 新渡戸稲造(『一日一言』)