NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

ロクでもないジイさんら

「【宮嶋茂樹の直球&曲球】尾畠さんに比べロクでもないジイさんら」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/180823/clm1808230007-n1.html

 世の中にはホンマに奇特な方がおられるものである。高齢にもかかわらず軽自動車に寝泊まりしながら被災地や、子供が行方不明になった地域へ駆け付け、お助けをし、なぐさめ、励まし、見返りも一切求めない、あの尾畠春夫さん(78)のことである。

 不肖・宮嶋も、尾畠さんの前では穴があったら入りたい。被災地に入るのは、ボランティアも報道カメラマンも同じやが、ワシらは、その現場や被災民の方を撮ることによって報酬を得ているのである。つまり“他人の不幸をネタ”に食っとるのである。

 博愛や人道を高らかにうたいあげながら、あの朝日新聞も、沖縄の県紙のカメラマンも、「給料払わんけど、新聞に写真載せたるわ」だけでは被災地や辺野古に行かんやろ。いや、たとえ駆け付けても長くは続けられんやろ。

 それをや、60代半ばで一念発起して、80歳近い今まで、たった1人でボランティアを続け、人命救助のプロである何百人もの消防・警察に先駆け、行方不明の2歳児を助け出し、母親の手に帰してあげた…だけでもすごいのに…2歳児の一家からお礼どころか、食事や入浴の提供も固辞して立ち去り、その後はいまだ豪雨災害に苦しむ広島でボランティア活動を続けたのである。スーパーボランティアとも呼ばれる尾畠さんの業績が脚光と喝采を浴びるのは当然としてもや、人としてもヒーローそのものや。

 それに比べて、同い年の前日本ボクシング連盟会長は「小物っぷり」を際立たせてくれたで。自ら「世界のカリスマ」と名乗るばかりか、表札にまで終身会長を掲げた権力欲・名誉欲まみれのジイさん…尾畠さんの報道見て、自戒するようなタマやないやろな…取り巻きやカメラマンに囲まれとった時間を懐かしんどるか?

 あのアメフット問題の大学(母校とはいえ、恥ずかしい)理事長なんか、怖うていまだにカメラの前によう出てこんし、理事長のイスにしがみついたままやし…。日本人はこんなロクでもないジイさんらをずっと見せつけられ、もう辟易(へきえき)しとったから、尾畠さんに拍手贈ったんやろな。

不肖・宮嶋 死んでもカメラを離しません (祥伝社黄金文庫)

不肖・宮嶋 死んでもカメラを離しません (祥伝社黄金文庫)

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)