一日一言「強いばかりが男ではない」
三月十六日 強いばかりが男ではない
人の言動が荒々しいのを男らしいと思うのは野蛮人の思うことで、心の中に強い意志を持って、外にやさしいのが君子である。根が強い草は花も美しく実も多いが、いたずらに強いことだけを望んで人の気持ちを顧みない者は、自分の暴力に負ける者であり、強いばかりが男ではないのだ。
人のたゞ負けじと思ふ心こそ
やがて我が身のあだとなるなれ
人にまけ己に勝って我を立てず
義理を立つる男達(をとこだて)なり
「男子は須(すべか)らく強かるべし、しかし強がるべからず。外(そと)弱きがごとくして内(うち)強かるべし。」
今後の男伊達は決して威張りの一方では用をなさぬ。内心剛(かた)くして外部に柔らかくなくてはならぬ。むかしの賢者も教えて曰く、
「人(ひと)剛(ごう)を好めば我(われ)柔(じゅう)をもってこれに勝つ」
と、曰く、
「柔能(よ)く剛を制す、赤子(せきし)に遇(あ)うて賁育*1(ほんいく)その勇を失う」と。
男子は須らく強かるべし、しかし強がるべからず。外弱きがごとくして内強かるべし。
負けて退(の)く人を弱しと思ふなよ知恵の力の強き故なり
とは、真の男子の態度であろう。
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おいどんはきょうも男だったと
思うちょる
いまはそれだけでよか
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*1:孟賁・夏育