憂国忌
46度目のミシマの日。
ちょっとばかり、ということは何て汚らわしいんだ!一寸ばかり芸術的な、一寸ばかり良心的な。
・・・要するに、一寸ばかり、といふことは何てけがらはしいんだ。
今日は憂国忌。
「【憂国忌 まとめ読み】遺書全文、檄文、楯の会会員の証言集…11月25日の命日に三島由紀夫を振り返る」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/life/news/161125/lif1611250031-n1.html
11月25日は、東京・市谷の自衛隊駐屯地で自決した作家、三島由紀夫(1925~70年)の命日。この日に三島を追悼する「憂国忌」が毎年開かれ、故人の業績をしのんできた。
産経ニュースでは、没後45年にあたる昨年、連載企画に加え遺書の全文など関連記事を掲載しています。下記のリンクからご覧ください。(記事の肩書、年齢などは掲載時のまま)
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「三島由紀夫氏らを追悼 福岡で憂国忌」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/region/news/161124/rgn1611240051-n1.html
「三島由紀夫の生と死、悠久の時を越えた美少年との出会い」(tenki.jpサプリ)
→ http://www.tenki.jp/suppl/grapefruit_j02/2016/11/25/17711-summary.html
「【11月25日】割腹自殺の三島由紀夫には英霊の魂が乗り移っていた!? 死後46年、今明かされる幻の『皇居突入計画』」(TOCANA)
→ http://tocana.jp/2016/11/post_11552.html
『三島由紀夫研究会』 http://mishima.xii.jp/
『三島由紀夫文学館』 http://www.mishimayukio.jp/
われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見ていなければならなかった。
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日本を日本の真姿に戻して、そこで死ぬのだ。生命尊重のみで、魂は死んでもよいのか。生命以上の価値なくして何の軍隊だ。今こそわれわれは生命尊重以上の価値の所在を諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主主義でもない。日本だ。われわれの愛する歴史と伝統の国、日本だ。これを骨抜きにしてしまった憲法に体をぶつけて死ぬ奴はいないのか。もしいれば、今からでも共に起ち、共に死のう。われわれは至純の魂を持つ諸君が、一個の男子、真の武士として蘇えることを熱望するあまり、この挙に出たのである。
── (『檄文』)
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私は三島に「福田さんは暗渠(あんきょ)で西洋に通じてゐるでせう」と、まるで不義密通を質すかのやうな調子で極め付けられたことがある。・・・・どう考へても三島はそれを良い意味で言つたのではなく、未だに西洋の亡霊と縁を切れずにゐる男といふ意味合ひで言つたのに相違ない。それに対してどう答へたか、それも全く記憶にないが、私には三島の「国粋主義」こそ、彼の譬喩(ひゆ)を借りれば、「暗渠で日本に通じてゐる」としか思へない。ここは「批評」の場ではないので、詳しくは論じないが、文化は人の生き方のうちにおのづから現れるものであり、生きて動いてゐるものであつて、囲いを施して守らなければならないものではない、人はよく文化と文化遺産とを混同する。私たちは具体的に「能」を守るとか、「朱鷺」を守るとか、さういふことは言へても、一般的に「文化」を守るとは言へぬはずである。
── 福田恆存(「覚書」一九八八年一月『福田恆存 思想の〈かたち〉』)
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