NAKAMOTO PERSONAL

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昭和の日

昭和の日。
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日。


産経新聞、社説より。
「【主張】昭和の日 呼べば「時代」は帰り来る」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/160429/clm1604290002-n1.html

 伝説の大女優と呼ばれた原節子さんの訃報が伝わった昨秋、「昭和がまた遠くなった」との嘆息が国民の間にもれた。

 「昭和が遠く…」はごく日常的に、例えば場末の小さな劇場が閉館したといった場合でさえも感傷交じりに語られる。

 「あの時代」が日本人の記憶の中にしっかりと生きている証左でもあろうか。しかし昭和元年生まれの人は今年でちょうど90歳を迎える。国民のおよそ4人に1人は平成生まれだ。昭和が語られる機会もおのずと減り、時代の原風景の記憶は確実に風化しつつあるといえよう。

 それでも、いやそうだからこそ昭和が歩んだ道を改めて振り返りたいのである。いま国内外で直面する諸問題を解決する上でも大きな意義があるに違いない。

 きょうは「昭和の日」である。言うまでもなく、この日は昭和時代の天皇誕生日だった。昭和天皇崩御後は「みどりの日」となったが、昭和天皇の遺徳をしのび、昭和を顧みる日がほしいとの国民の熱望を受け、平成19年からは昭和の日と改められた。今年で10回目となる。

 祝日法に「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」とうたわれているように、昭和のキーワードは激動と復興である。

 先の大戦で国土は荒廃し、国民は窮乏を余儀なくされた。犠牲者が数千人に及んだ昭和23年の福井地震や34年の伊勢湾台風など、幾多の自然災害にも襲われている。石油ショックという深刻な経済危機もあった。しかし国民はそのつど困難を克服し、復興を果たし、さらなる発展をもたらした。

 日本人の勤勉さに負うところではあるが、国民と苦楽を共にされた昭和天皇を中心に国民が心を寄せ合ったことも忘れたくない。

 元号の「昭和」は漢籍の中の「百姓(ひゃくせい)昭明、協和万邦」に由来し、国民の平和と世界の共存繁栄を願う意味があるという。昭和の日本はまさに元号の意を体現したすばらしい国家へと成長し、平成にたすきをつないだ。

 もっとも昭和が残した課題は少なくない。憲法はもはや現下の国際情勢にそぐわず、家族や地域の人間関係は希薄化した。国民はいま一度、心を一つにした歴史を思い起こすべきではなかろうか。

 昭和はまだ、呼べど帰らぬほどには遠くなっていないはずだ。

「『昭和の日』に振り返る 昭和天皇が送った激動の生涯【画像100枚】」(ハフィントンポスト)
 → http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/28/showa-day-2016_n_9802392.html


『昭和の日 オフィシャルサイト』  http://www.429jp.info/
『昭和の日 - Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%AD%E5%92%8C%E3%81%AE%E6%97%A5