NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

子供ボランティア

被災した子供たちが自主的にボランティア活動を始めたという。
インスタントコーヒーを入れたり、肩叩きや掃除など、たいした仕事ではないがその自主性に感服する。
なぜ始めたのかとのインタビュアに対し、「することないし...」、「楽しいから」。人のためではなく、自分のためにと。
体裁を気にする“大人ボランティア”と違って、“子供ボランティア”、なかなかどうして頼もしい。


「熊本被災地で大活躍『こどもボランティア』避難所でお年寄りの世話や食事配り」(J-CAST
 → http://www.j-cast.com/tv/2016/04/22264871.html?p=all

 熊本地震被災地ではこどもボランティアが活躍している。きのう21日(2016年4月)に木下康太郎アナが益城町の避難所で見つけたのは、「スターボックス益城店」と書かれたダンボール製の手作り看板だった。カウンターを覗いてみると、小さな女の子がコーヒーを作っていた。子供たちがコーヒーを提供するボランティアを始めていたのだ。


言い出しっぺの小学6年生「学校行けないし、誰かために何かできないかと思って」

熊本市東区内の避難所では、子供たちが大人の肩を揉むサービスを始めていた。子供たちが首からぶら下げていたのは黄色いメダルで、「子どもボランティア」とある。この子たちはトイレ掃除、食事の準備を手伝い、300個ぐらいを避難所の人たちに配る。今週火曜日から始めていた。

 最初に動いたのは小学校6年生で、自らも被災した中尾咲都鶴(さとか)ちゃんだ。「学校も行けないし、地震が怖くて何もやることがないから、誰かのために何かできないかと思って始めました」

 誰かから言われたわけではなく、子供たち自らが行動を起こした。避難所の大人たちは口々に「ありがとうね。涙が出ちゃって」「一人でいると怖いけど、おちびちゃんたちのおかげでね、ありがとうね」と話す。


「ありがとう」「がんばって」・・・声かけられ子供たちも元気に

 司会の小倉智昭「少しホっとする部分がありますね」

 中瀬ゆかり(「新潮社」出版部長)「お子さんたちもつらい経験をしてるんだけども、こうやって人が喜んでくれる顔を見て、子供たちにとってもつらい経験の先にいい経験もできたんだなと思いました」

 山本一郎(作家・投資家)「今回の熊本の支援っていうのは、東日本大震災やほかの被災地とは違う形であったかいところを見せているし、復活の早さもあるし、凄く力強いなと感じますね。見ていてこちらも勇気づけられるといいますか、とてもいいですね」

 木下アナは「お母さんたちに話を聞くと、子供さんたちは避難所に来たばかりの時はものすごく元気がなかったそうなんです。でも、ボランティアをして『ありがとう』『頑張って』と言ってもらえることで逆に元気が出てきた。自立できるようになったと言っていました」と報告する。

 ありがとう。

「【熊本地震】避難の子供たちがボランティア」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/photo/story/news/160421/sty1604210011-n1.html
「子どもたち避難所で自主活動 お年寄りサポート」(毎日新聞
 → http://mainichi.jp/articles/20160419/k00/00e/040/163000c


「親がなくとも、子は育つ。ウソです。親があっても、子が育つんだ。」と喝破したのは安吾である。
社会的弱者としての子供を守ることに一生懸命な大人たちが子供の成長を阻害することがある。
困難が大きければ大きいほど、それを乗り越えれば乗り越えるほど、その成長も大きいはずである。
古人の格言に曰く、「若い時の苦労は買ってでもせよ」と。

 世の中には自分で経験しなければ会得できないことが山ほどある。親はすでにそれを経験しているから、子を危ぶんで一々指図したがる。気の利いた子供なら親の言うことなんか聞かないからいいが、唯々諾々と聞くようだと子供はいつまでも一人前はなれない。親がじゃまして子に経験させないからである。

── 山本夏彦『何用あって月世界へ』