NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

日本人ならではの「優しさ」が試される

今日の『産経抄』より。
「【産経抄】今こそ優しさが試される時である 4月18日」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/160418/clm1604180003-n1.html

 『武士の家計簿』などで知られる磯田道史(みちふみ)さんは、日本の防災史をライフワークの一つにしている。磯田さんの母方の家系が、日本有数の津波常襲地である、徳島県牟岐(むぎ)町から出ているからだ。

 牟岐町は、昭和21年の昭和南海地震の際も津波に襲われた。当時2歳だった磯田さんの母親は、九死に一生を得ている。磯田さんは、1歳の女の子を亡くしたある母親の回想記に目を留めた。

 放心状態のまま避難所に運び込まれた彼女に声がかかる。「寒いやろ。布団の中に入り」「私はズブぬれやけん、よごすけん」「かんまん、汚れたら洗ったらええけん」。「そのご好意がどれほどうれしかったことか」と、彼女は後に振り返る。磯田さんは、優しさが人に生きる力を与える例として、後世に伝えたいという(『天災から日本史を読みなおす』中公新書)。

 「平成28年熊本地震」は、県外にも活動を広げ、被害を拡大させている。これまで亡くなった人の多くは、倒壊した建物による圧死だった。南阿蘇村のアパートにいた22歳の学生にも、天井が目の前に迫ってきていた。

 学生は、手に持っていた携帯電話で、両親にこれまでの感謝の気持ちをつづった遺書を打ち始めた。「大丈夫か」。学生はその時聞こえてきた友人の声に励まされ、まもなく救助された。

 避難所に身を寄せて、不安な日々を過ごす被災者のもとにも、ようやく全国から支援物資が届き始めた。自衛隊の派遣部隊は増強され、陸上自衛隊東北方面隊にも「東日本大震災の支援の恩返し」をする機会がやってきた。受け入れ態勢が整えば、ボランティアも続々と現地入りするはずだ。天災に苦しめられ続けてきた日本人ならではの、「優しさ」が試される時である。


「【熊本地震モンベル被災地へ支援物資提供開始」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/west/news/160418/wst1604180080-n1.html
「【熊本地震グンゼが肌着や靴下約8千着分を物資支援」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/west/news/160418/wst1604180081-n1.html
「【熊本地震】熊本城復興に姫路市も協力…姫路城など2カ所で募金開始」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/west/news/160418/wst1604180092-n1.html
「【熊本地震】募金、支援物資発送…阪神大震災の恩返し 神戸発、支援の輪広がる」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/west/news/160418/wst1604180010-n1.html
「2日ぶりの温かいご飯 自衛隊による給水と炊き出しに感謝の声続々」(livedoor
 → http://news.livedoor.com/article/detail/11426553/
自衛隊設置『六甲の湯』に被災者入浴『生き返る』」(日刊スポーツ)
 → http://www.nikkansports.com/m/general/news/1633481_m.html?mode=all
「熊本地震で東北から1700人の自衛隊派遣『東日本大震災の恩返しに』」(livedoor
 → http://news.livedoor.com/article/detail/11424534/