NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

みんなちがって、みんないい。

わたしが両手をひろげても、

お空はちっともとべないが、

とべる小鳥はわたしのやうに、

地面(じべた)をはやくは走れない。


わたしがからだをゆすっても、

きれいな音はでないけど、

あの鳴るすずはわたしのやうに

たくさんなうたは知らないよ。


すずと、小鳥と、それからわたし、

みんなちがって、みんないい。

── 金子みすゞ (『わたしと小鳥とすずと』)

1930(昭和5)年3月10日 金子みすゞ


金子みすゞ記念館』 http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/misuzu/

金子みすゞ童謡全集

金子みすゞ童謡全集

 人の心が、人それぞれなのは、
 人間の顔が、人それぞれ違うのと同じ。
 丸い顔の人もいれば、長い顔の人もいる。
 一人として同じ顔の人はいない。
 人の心も、まったく同じ。
 一人として同じ心の人はいない。
 気の短い人もいれば、気の長い人もいる。
 静かな人もいれば、騒がしい人もいる。
 だから、他人の行いを見て、
 自分が気に入らないからといって、
 短気をおこしたり、怒ったりしてはいけないよ。
 できるだけ我慢して、
 互いに仲良くすることが大切だよ。

── 金谷俊一郎(『[現代語抄訳]日々の教え・童蒙教え草』)

[現代語抄訳]日々の教え・童蒙教え草

[現代語抄訳]日々の教え・童蒙教え草