NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

了見が知りたい

『産経抄』より。


「【産経抄】了見が知りたい 2月19日」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/160219/clm1602190003-n1.html

 男子テニス界に君臨するノバク・ジョコビッチ選手は、セルビアベオグラード出身である。内戦下に少年期を送ったジョコビッチ選手に、両親は常に言い聞かせてきた。「世界ナンバーワンの選手になって、セルビア人の名誉を取り戻すのだ」。

 旧ユーゴスラビア連邦解体に伴うボスニア紛争と、その後のコソボ紛争では、セルビア人だけが加害者として断罪されてきた。『戦争広告代理店』(講談社文庫)によれば、米国のPR会社の仕業である。「民族浄化」をキーワードにして、国際世論を巧みに誘導したというのだ。紛争は、すさまじい情報戦でもあった。

 著者の高木徹さんは、「日本の国家的なPR戦略の欠如」も指摘している。確かに1996年に出た、国連人権委員会における例のクマラスワミ報告に、反論してこなかった罪は重い。以後、慰安婦は性奴隷だった、との根拠のない議論が、国連でまかり通ってきた。2007年の米下院慰安婦決議にもつながっていく。

 その意味で今回、国連で日本の立場を明確に説明した政府の姿勢は評価できる。慰安婦の強制連行説は、「捏造(ねつぞう)」だった。この事実に基づいて、今後も国際社会の誤解を解くべく、積極的に発言していかなければならない。

 ただ、忘れてはいけない事実がある。杉山晋輔(しんすけ)外務審議官が何度も朝日新聞に言及したように、もともとは「国内問題」だった。国連慰安婦問題を提起してきたのは、日本の左派系活動家たちである。

 自分の国の名誉を取り戻すどころか、それを踏みにじる行動に情熱を傾ける。一体どういう了見なのか、問いただしてみたい。ただ「性奴隷」の言葉を生み出した弁護士に、小紙が取材を申し込んでも、受けてくれないそうだ。

朝日新聞社、政府の慰安婦報道めぐる説明で反論『根拠示さない発言で遺憾』 外務省に申し入れ」(朝日新聞
 → http://www.sankei.com/politics/news/160219/plt1602190036-n1.html
慰安婦『強制連行』説の否定、20年前にしておけば… 変わらぬ朝日新聞は韓国への配慮にじます」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/premium/news/160218/prm1602180007-n1.html