NAKAMOTO PERSONAL

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マスコミはデモの実像を伝えたのか

今日の『産経抄』より。


「【産経抄】マスコミはデモの実像を伝えたのか 10月17日」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/151017/clm1510170003-n1.html

 民主党野田佳彦元首相は通常国会開会中、サングラスに帽子姿で顔を隠し、安全保障関連法に反対するデモを何度か視察していたという。何もそこまでこそこそしなくても、素顔で堂々と見に行けばいいと思うが、人に知られたくない事情でもあったのか。

 ともあれ、このエピソードを明かした岡田克也代表によると、野田氏は政治に無関心とされてきた若者たちが集まっている状況に、「すごいことだ」と感心していたそうである。野田氏に限らず新聞やテレビも、デモに関しては若者にスポットを当てた報道が目立った。

 国会の公聴会参考人として招かれるなど話題を集め、マスコミに騒がれた学生団体「SEALDs(シールズ)」は、その代表例であろう。ただ、小欄はあまのじゃくであるためか、デモに対して全く違う印象を受けていた。場所や時間帯にもよるが、若者の姿はやはり少なく、60代ぐらいの中高年が目立つなと。

 実際、産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が先月実施した合同世論調査では、大半の若者がデモに距離を置く実態が表れていた。世代別にみると、デモに「共感する」と答えた人は20代男性では23・8%にとどまり、74・6%が「共感しない」と突き放していたのである。

 一方、男性で「共感する」の割合が最も高かったのは60代で、48・6%と20代男性の2倍以上に上った。自ら体験し、あるいは間近で見た「70年安保」当時のデモと重なるのかもしれないが、これほど世代で評価が分かれる調査結果も珍しい。

 マスコミは今回のデモについて、若者に注目するあまりに、実像を正しく伝え損なっていたのではないか。折しも21日まで新聞週間である。報道のあり方をじっくり再考したい。

  • 合同世論調査では、大半の若者がデモに距離を置く実態が表れていた。
  • デモに『共感する』と答えた人は20代男性では23・8%にとどまり、74・6%が「共感しない」と突き放していた」
  • 男性で『共感する』の割合が最も高かったのは60代で、48・6%と20代男性の2倍以上に上った。」
  • マスコミは今回のデモについて、若者に注目するあまりに、実像を正しく伝え損なっていたのではないか。


少なくともぼくの周りに共感する者はいないし、そういった話を聞いたこともない。
嘲笑する者はたくさんいるけれど。

 新聞はあくまで事実の報道という形で、国民を一定の方向に追いやることができますが、さらにその限度を超えて、最初から「世論はこうだ、こうだ」と国民の頭上におっかぶせていくとなると問題です。ことに一般の国民は難解拙劣な政治記事を読まずに、見出しや煽情的な社会面を読みがちですから、そういう工作は易々たるものです。もちろん、国民の大部分は動かされはしませんでした。

── 福田恆存『輿論を強ひる新聞』