NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

一日一言「天を相手にせよ」

九月二十四日 天を相手にせよ


 明治十年(西暦一八七七年)の今日、西郷南州翁が城山で戦死した。西郷(隆盛)は「敬天愛人」を貫いたが、それは次の言葉から生まれた。


  道は天地自然の道にして、人は之を行ふものなり、故に天を敬するを以て目的となす。天は人も我も同一に愛す、故に我を愛する心を以て人を愛すべし。
  人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして己を尽し人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。

── 新渡戸稲造(『一日一言』)

西郷隆盛の足跡たどる9キロ遠行 鹿児島市」(南日本新聞
 → https://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=69956
「命日を前に「西郷どんの遠行」(鹿児島県)」(KYT鹿児島読売テレビ
 → http://www.news24.jp/nnn/news8726771.html


人を相手にせず、天を相手にせよ。
天を相手にして、己を尽し、人を咎めず。

 西郷の偉大さはクロムウェルに似ていて、ただピューリタニズムがないためにピューリタンといえないにすぎないと思われます。西郷には、純粋の意思力との関係が深く、道徳的な偉大さがあります。それは最高の偉大さであります。西郷は、自国を健全な道徳的基盤のうえに築こうとし、その試みは一部成功をみたのであります。

── 内村鑑三(『代表的日本人』)

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

対訳・代表的日本人

対訳・代表的日本人


海舟に曰く、

 坂本龍馬が、かつておれに、「先生はしばしば西郷の人物を賞せられるから、拙者もいって会ってくるにより添え書きをくれ」といったから、さっそく書いてやったが、その後、坂本が薩摩から帰ってきていうには、「なるほど西郷というやつは、わからぬやつだ。少したたけば少し響き、大きくたたけば大きく響く。もし“ばか”ならおおきな“ばか”で、利口なら大きな利口だろう」といったが、坂本もなかなか鑑識のあるやつだよ。

── 勝海舟『氷川清話』

氷川清話 (講談社学術文庫)

氷川清話 (講談社学術文庫)