NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

「放言の自由

『産経抄』より。


「【産経抄】8月29日」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/column/news/150829/clm1508290002-n2.html

 この人はいったい、何がしたいのだろうかとため息が出た。戦後70年の安倍晋三首相談話について27日の講演で、「日中、日韓の関係改善のきっかけにはならない」「中国はいつまで我慢できるか」「韓国は残念な思いをしている」などと批判した河野洋平衆院議長のことである。

 謝罪外交に終止符を打つ狙いがある安倍談話に対し、中韓両国政府は抑制的な反応を示していた。経済分野などでの日本との関係強化の必要性を考えてのことだろう。そんなタイミングでの河野氏の言動は、まるで両国を「もっと怒れ、おとなしくするな」とあおるかのようだ。

 OBとはいえ日本の大物政治家が水を向けてきたのだから、中韓両国も「やはり批判した方がいいのかな」と思い直すかもしれない。結果的に関係改善が滞ったらどうするのか。村山富市内閣と小渕恵三内閣で外相も務めた河野氏に、事の重大性が理解できないはずもあるまい。

 安倍談話に関しては河野氏の盟友、村山元首相も「さっぱり何が言いたかったのか分からない」と切り捨てた。とはいえ、「あの戦争」「国策を誤り」などと抽象的で、具体的に何を指すのか分からないのは戦後50年の村山談話の方だ。日経新聞の15日付社説も、安倍談話について「何を反省すべきかをはっきりさせたのはよい」と評価していた。

 もっとも河野、村山両氏が批判しようと、産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)をはじめ報道各社の世論調査では、安倍談話を「評価する」が「評価しない」を上回っている。ごく常識的な結果だろう。

 日本は表現の自由が保障された民主主義国であり、何を言おうと思うままだ。ただ最近は、政治家やそのOBらの「放言の自由」が目に余る。

「安保賛成派が都内でデモ 『戦争法案のレッテル貼りは見当違い』 大阪、福岡でも」(産経新聞
 → http://www.sankei.com/politics/news/150829/plt1508290018-n1.html


『【産経・FNN世論調査】内閣支持率43%に回復 首相談話「評価」57% 安保法案「必要」58%』(産経新聞) http://www.sankei.com/politics/news/150817/plt1508170004-n1.html
『【産経・FNN合同世論調査】戦後70年談話、20代が高評価 公明支持層も容認』(産経新聞) http://www.sankei.com/politics/news/150817/plt1508170009-n1.html