学生に愬える!
他人が正しくないと云って憤るよりも、自分一人だけが先づ真理を行ふことの満足のうちに生存の意義を見出すべきではないですか。郵便配達夫は先づその職域に於て最善の責務を果すことです。それもできずに、道義退廃だの政治の改革だのと騒いでも駄目です。私は結社や徒党はきらひで、さういふものゝ中でしか自分を感じ得ぬ人々は特にきらひなのです。
── 坂口安吾(『青年に愬ふ―大人はずるい―』)
「安保法案反対、大学生がハンストへ『生命をかける覚悟でたたかいます』」(ハフィントンポスト)
→ http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/19/security-law-students-hunger-strike_n_8012800.html
「安保法案反対ハンストに参加する大学生『自衛官の友達がいるんです』」(ハフィントンポスト)
→ http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/21/hangar-strike-student_n_8018620.html
「学生らが8/27に国会前でハンスト決行 ただし11時間だけ。水は飲む」(痛いニュース)
→ http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1850892.html
「サヨク大学生ら『国会前で断食デモするから活動資金のカンパお願いします』」(痛いニュース)
→ http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1850795.html
学生ハンスト実行委員会@hansutojitsu
私たちの活動に使うカンパを募集します。大切に使わせていただきます。よろしくお願いします。
https://twitter.com/hansutojitsu/status/633886405605855232カンパのお願い
ハンガーストライキ・座り込み・集会を行うにあたって、資機材や水・氷、荷物の運搬などに費用がかかります。そこで活動のためのカンパをお願いします。わたしたちの活動の費用として、大事に使わせていただきます。よろしくお願いします。
http://blogs.yahoo.co.jp/hansutojitsu/55671551.html
「フィフィ、安保関連法案に反対する学生たちに皮肉『ぬるいハンスト』」(ライブドアニュース)
→ http://news.livedoor.com/article/detail/10490027/
「松本人志が安保法案へ反対する10代に苦言『ニュースに誘導されている感じ』」(ライブドアニュース)
→ http://news.livedoor.com/article/detail/10449580/
「SEALDsというヘイトな人々」(iRONNA)
→ http://ironna.jp/theme/345
学生に愬(うった)える!
青年の純真な動きも、徒党をつくると、いはゆる閥をつくり、排他的になり易いもので、批判力を失つてしまひ易い。
他をたよつたり、味方をふやすことを考へる必要もない。他の嘲笑を恐れる必要もないし、自分だけ正しく行動してゐるのに他の人々が悪いことをいてゐるといつて怒ってしまつてはもう駄目だ。
そして、その正しい生き方と申しましても、日本の改革だの何だのとすぐには手のとゞかぬ遠い先を考へる必要はない。郵便配達の方はその配達の仕事の上で、職工の方はその職域に於いて、最善の責任をつくすことが第一です。それが出来ずに理想も真理も、それはインチキといふものです。職域に於ける最善の責任を果たし、それでも尚この日本の現状が見るに忍びぬとならば、たとへば休みの日に買出しにでて、その品物を実費で売つて人を喜ばしてあげるがよい。抽象的な観念論や理想論よりも、さういふ実際の行為が大切です。
青年は先づ「ひとり」であることが大切だ。さうして、自分とは何者であるか、何を欲し、何を愛し、何を憎み、何を悲しんでゐるか、それを自覚し、そして自分自身を偽らぬことです。他人が正しくないと云って憤るよりも、自分一人だけが先づ真理を行ふことの満足のうちに生存の意義を見出すべきではないですか。郵便配達夫は先づその職域に於て最善の責務を果すことです。それもできずに、道義退廃だの政治の改革だのと騒いでも駄目です。私は結社や徒党はきらひで、さういふものゝ中でしか自分を感じ得ぬ人々は特にきらひなのです。
何物を破壊する必要もない。正しいもの、美しい物を造ることによって自ら破壊は行はれるでせう。自らさゝやかな真理を行ふことの自足と追求が大切だ、徒に考へることも不可で、たゞ考へて埒のあくものではなく、まづ正しく行ひ、然してその行ふところを内省して、そこから考へる生活と、次の行為への発展をもとむべきです。諸氏が真に国を憂ふるなら、道は近きにあり、先づその職域に於て本分をつくし、余りあるときに発疹チフスで仆(たお)れた偉大なる学徒の如くであって欲しい。徒に徒党を結ぶ必要もなく、例の大人物達に教へを仰ぎ講話などを承る必要は毛頭ありません。重ねて言ふ、大人はずるく、青年は純潔です。君自身の純潔を愛したまへ。
── 坂口安吾(『青年に愬ふ―大人はずるい―』)
堕落論・特攻隊に捧ぐ - 無頼派作家の夜 (実業之日本社文庫)
- 作者: 坂口安吾,七北数人
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