2015-08-03 一日一言「水田に立つ人のこと」 暑い暑い。 八月三日 水田に立つ人のこと 夏の日は自分の暑いことだけを考えて、人の暑いのも忘れている。避暑地に行って都会の道路で車を引く人のことを忘れ、都会に泊まっていて、田舎で炎天下で田んぼをつくっている人のことを忘れている。これらの人はみな自分のためになっている人のことを忘れているのである。 〈明治天皇御製〉 暑しともいはれざりけり煮えかへる 水田に立てる賤をおもへば ── 新渡戸稲造(『一日一言』)