NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

“言論の自由”を封じる“言論の自由”

翁に曰く、

してみれば言論の自由とは、大ぜいと同じことを言う自由である。

大ぜいが罵るとき、共に罵る自由、罵らないものをうながして罵る自由、うながしてもきかなければ、きかないものを村八分にする自由である。

── 山本夏彦『毒言独語』


言論の自由”を盾に“言論の自由”を封じ込め、ここぞとばかりに集中砲火を浴びせかける、例のマスコミ。
マスコミ関係者の中にも良心のある者が残っているのが救い。


「『百田氏にも言論の自由』 マスコミ関係者からも擁護論が続々」(J-CAST
 → http://www.j-cast.com/2015/07/02239318.html?p=all

 沖縄2紙への「つぶさなあかん」発言がマスコミから猛バッシングを受けた作家の百田尚樹氏を擁護する声が、マスコミ関係者らから上がっている。

 「表現、言論の自由だ」「笑ってすませる程度の話」「民間人」とその理由は様々だ。


「WiLL」花田編集長、維新・松井大阪府知事田母神氏・・・

 月刊誌「WiLL」花田紀凱編集長は2015年6月26日、「百田発言のどこが悪い」と題したブログを更新。「クロウズドな勉強会で述べた個人的感想ではないか。どこがいけないのか」と疑問を呈し、「言論の自由表現の自由だろう」と擁護した。

 翌日のブログでも

「言い方はややキツかったかもしれないが、百田さんにも沖縄2紙の報道を批判する『言論の自由』はある」

と主張。百田氏が発言を「冗談として言った」と説明したことから、「笑ってすませる程度の話だ」とも述べた。

 「言論の自由」を理由に、百田氏を擁護する人はほかにもいる。維新の党顧問の松井一郎大阪府知事は26日、「自民党を叩くのはいいが、講師として勉強会に行った百田氏には表現と言論の自由がある」と報道陣に述べたと朝日新聞NHKが報じた。

 元自衛隊航空幕僚長田母神俊雄氏は28日、ツイッターに「マスコミには日本を貶める言論の自由が無限にあるが、百田氏には言論の自由がないというのか」と書いた。

 百田氏自身も29日、ツイッターで「表現の自由」の保障を規定する憲法21条を引用し、

「つまり、私的な会合での発言は、憲法で保証されているのです(原文ママ)」

と説明していた。

 ただ、「言論の自由」を理由に擁護することに反論もある。漫画家の小林よしのり氏は7月1日のブログで「これは間違っている」と切って捨てる。

百田尚樹が沖縄の新聞をつぶせと言うのは、民間人が表現の自由を行使しているのだから勝手である。だが、マスコミ・民間人がこれを批判するのも言論の自由を行使しているのだ」

 小林氏は百田氏と同じく、自民党議員との勉強会が予定されていたが、中止になった経緯がある。


百田氏は擁護されて「男らしいなあ!」「さすがや!」と喜ぶ

 百田氏の立場を「民間人」「一文化人」として、問題視するべきではない、という意見もある。キャスターの辛坊治郎さんは6月26日の「朝生ワイドす・またん!」(読売テレビ)で

自民党の勉強会でプライベートな人間が好きに言ったことを批判する記事を書くのは、言論機関として自殺行為じゃないかと思う」

と語り、毎日新聞をはじめ新聞各紙を批判した。

 元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さんは28日のブログで、百田氏は講師として招かれただけだとし、

「要はただの『文化人』であり、『自由に発言してください』という依頼の下、自民党の若手たちに『お話をしただけ』に過ぎない」
と書いた。国会議員とは立場が違うことを強調した。

 一連の擁護の声に百田氏もツイッターで反応している。27日は「松井知事は男らしいなあ!この騒動の中で、堂々と発言するのは『漢』や!」、30日には「辛坊さん、歯切れいいなあ さすがや!」とうれしそうだ。