NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

“悪の凡庸さ”

久し振りにビデオ。
ハンナ・アーレント』 http://www.cetera.co.jp/h_arendt/

“悪の凡庸さ”(悪の陳腐さ)。
本当の悪は、絶対的な悪魔のような悪ではなく、ごく平凡な人間の中にある。
何が悪か、何が善か。どうすればこの状況を打破できるか、乗り切ることが出来るのか。抵抗する術はないのか。
そういったことを考えない。命令や状況に従うだけの思考停止状態にこそ最大の悪がある。
何も考えない、思考が停止した凡庸さの中にこそ最大の悪が潜んでいる。

世界最大の悪は ごく平凡な人間が行う悪です

そんな人には動機もなく 信念も邪念も 悪魔的な意図もない

人間であることを 拒絶した者なのです

そして この現象を 私は“悪の凡庸さ”と 名づけました

ソクラテスプラトン以来 私たちは“思考”をこう考えます。自分自身との静かな対話だと。
人間であることを拒否したアイヒマンは人間の大切な質を放棄しました。
それは思考する能力です。
その結果 モラルまで判断不能となりました。
思考ができなくなると 平凡な人間が残虐行為に走るのです。
過去に例がないほど 大規模な悪事をね。
私は実際 この問題を哲学的に考えてみました。

“思考の風”が もたらすのは 知識ではありません

善悪を区別する能力であり 美醜を見分ける力です

私が望むのは 考えることで 人間が強くなることです

危機的状況にあっても 考え抜くことで破滅に至らぬよう

視点・論点 「ハンナ・アーレントと"悪の凡庸さ"」』(NHK) http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/191681.html
『映画『ハンナ・アーレント』どこがどう面白いのか 中高年が殺到!』 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37699
『「映画『ハンナ・アーレント』レビュー、思考し続ける大切さと意志の強さ」(HUFF POST)』 http://www.huffingtonpost.jp/hotaka-sugimoto/post_6593_b_4543365.html
『「『ハンナ・アーレント』が人気の理由」(朝日新聞社)』 http://webronza.asahi.com/culture/2013120500003.html
『2014年01月08日(Wed) 『ハンナ・アーレント』』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/searchdiary?word=%A5%A2%A1%BC%A5%EC%A5%F3%A5%C8


イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

全体主義の起原 1 ――反ユダヤ主義

全体主義の起原 2 ――帝国主義

全体主義の起原 2 ――帝国主義

全体主義の起原 3 ――全体主義

全体主義の起原 3 ――全体主義


山本夏彦は言い続けていた。

  • 人は言論の是非より、それを言う人数の多寡に左右される。
  • してみれば言論の自由とは、大ぜいと同じことを言う自由である。大ぜいが罵るとき、共に罵る自由、罵らないものをうながして罵る自由、うながしてもきかなければ、きかないものを村八分にする自由である。
  • 言論の自由は大ぜいと同じことを言う自由であり、大ぜいと共に罵る自由であり、罵らないものを「村八分」にする自由である、これが言論の自由なら、これまでもあったしこれからもあるだろう。
  • 大ぜいが異口同音にいうことなら信じなくてもいいことだ。
  • 三人寄れば文殊の知恵は嘘だ。バカが三人寄れば、三倍バカになる。


ミルの自由論はこうだ。

一人の人間を除いて全人類が同じ意見で、一人だけ意見がみんなと異なるとき、

その一人を黙らせることは、一人の権力者が力ずくで全体を黙らせるのと同じくらい不当である。

── J・S・ミル『自由論』