NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

ニーチェ x 西尾幹二

リードバルブ!

チェーンソー。
バイクもカートもスノーモビルも、草刈り機も。
2ストロークエンジン。


昨日は新刊文庫を一冊。

人生について (新潮文庫)

人生について (新潮文庫)

(生きる苦しみと理不尽、そして死の恐怖……人生には解決のつかない難問が横たわっている。稀代のモラリストが怒り・虚栄・孤独・退屈・羞恥・嘘・宿命・教養・苦悩・権力欲といった現代人の問題について冷静な人間観察と鋭い心理洞察に基づいた思索を重ね、自身の体験を交えつつ平易な文章で語る。著者が「最高の作品」と自任する本格的エッセイ集。『人生の深淵について』改題。)


ぼくの“ニーチェ”は西尾幹二氏によってもたらされた。

 人間は自分が背負っている不幸、過去から引きずって来ている災厄を、できれば取り除いて、救われたいと願望する。そのためさまざまな宗教上の作り話があみ出されてきた。しかし、よく考えてみるがいい。そういう自己欺瞞を犯すことなく、あるいは自分自身から逃げることなく、現実を直視してみよ。自分が背負っている不幸と自分自身とは果たして別のものなのかどうか。自分と不幸とはすでに一体であり、不可分に結びついているのではないか。自分は不幸を背負うことでこれまで苦しんで生きて来たが、そのような自分以外に自分はなく、そのような苦しみの中で独自の精神が培われ、現在の自分を形づくっている。もし不幸な現実が消えてなくなってしまったら、そのときには、自分も消えてなくなってしまうのであり、自分は精神の抜けた蛻(もぬ)けの殻となり果ててしまうであろう。
 苦痛は人間を打ちのめすだけでなく、人間を強靱にし、人間に精神を吹き込みもする。

── 西尾幹二『人生について』

ニーチェが先か、西尾幹二が先か。
ニーチェから西尾幹二氏を知ったのか、保守思想家としての西尾幹二氏からニーチェに興味を持ったのか。
どちらが先だったのか。
今となっては記憶にもない程、ひとつになっている。


ニーチェとの対話 ツァラトゥストラ私評 (講談社現代新書)

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この人を見よ (新潮文庫)

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偶像の黄昏・アンチクリスト (イデー選書)

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