NAKAMOTO PERSONAL

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なぜ女性は正論を主張したがるのか

「なぜ女性は正論を主張したがるのか 論破したがる男性の行動は無意味」(SankeiBiz
 → http://www.sankeibiz.jp/econome/news/150509/ecc1505091716002-n1.htm

「女の正論」に対抗手段はあるか

 世の中には、妥協するしかないときもある。ところがそういうときに限って正論を持ち出して反対する学級委員タイプがいるものだ。そしてそういうタイプはなぜか女性に多い。

 たとえばせっかく会議で結論が固まりつつあったのに、女性が正論を主張し始めたばかりに、議論が振り出しに戻ることがある。こんなとき男は女の正論を聞きながら思う。

 「お説ごもっとも。でも今それを言ったからってどうなるの?」

 なぜ女性はこんなとき口を閉じていられないのだろうか。それは男女の脳の違いと、「脳は快感がないと行動を起こさない」という原則と関係がある。

 女性の脳は、言語をつかさどる左脳的思考を得意とする。だから女性は言葉を使って考えて、理屈で納得するのが快感なのだ。

 逆に言えば女性は自分が心底納得してからでないと行動を起こしたくない。だから腑に落ちないことをさせられそうになると、理屈で納得したくて正論を主張し始める。

 たとえそのせいで「場が読めない」と言われても、自分を納得させるという快感を優先させてしまうのである。一方、男性はおおざっぱで直感的な右脳思考。妥協すると決まれば何も考えず従える。

 恋愛初期に、相手の女性から「私のどこが好き?」と聞かれて困惑した経験のある男性は多いだろう。男は直感で行動しているだけなので、こう聞かれると絶句してしまう。

 しかし女性は「なぜこの人と私は付き合うことになったのか」を言葉で説明してもらって納得したい。だからこんなとき、嘘っぱちでいいから「キミのこういうところが好きだよ」と言える男がモテるのは言うまでもない。

 というわけで、女性が正論を主張し始めたら、周囲の人間がとるべき態度はただ1つ。「気がすむまで主張させる」ことだ。面倒くさいが、どこかでエネルギーを吐き出させておかないと、いずれ憤懣が爆発してしまう。

 「なるほど、それはもっともだね」と同調してさえおけば、何も行動する必要はない。万が一、後から「あれはどうなっていますか」と追及されたらどうするかという問題はあるが、そんなときは、のらりくらりと逃げればいい。

 もっともそこまで女性が持論に固執する心配はまずない。自分の主張の正しさが認められればそれで満足だからだ。

 もっとはっきり言うと、女性は別に討論をしたいわけではなく、ただ言いたいだけ。自分が正しいと思う主張をすることが快感なのであって、主張が認められてそれが現実になることは別に快感ではない。大半の女性が「じゃあ、あなたに任せるから、責任もってやってみてよ」と言われたら、おそらく何もできないはずだ。

 だが女性の正論を黙って聞くことほど、男性にとって苦しいことはない。まったく興味のないことなら聞き流すこともできるが、興味のあることや専門分野について非現実的な理想論をぶたれると、ついつい論破したくなってしまう。

 男性ホルモンの一種であるテストステロンは闘争本能を高めるため、相手を言い負かすことが男性にとっての快感だからだ。

 ところが、論破しようとする行為にはまったく意味がない。なにしろ女性が口にするのは、100%正しい、まさに“正論”。理屈では勝ち目がないのだ。

 男が唯一できるのは、何も反論せずに気が済むまでしゃべらせて、「そうだね、そうだね」と聞いてあげることだけ。これは男として一番辛い状況だが、歯を食いしばってでも傾聴するしかない。

 そもそも男と女はまったく別の生き物。わかりあうことなど所詮無理なのだ。むしろこんなに違うのに、なんとかやっていけるのが男と女のすばらしさだと思うしかないだろう。

『2014年09月17日(Wed) 自分の正しさに酔う正論バカ』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20140917



翁に曰く、、、

 私は政治に女性的なものが介入するのを、危険だと思っている。女性が常に正義で潔白だと思い得るのは、言うまでもなく実社会での責任ある地位にいないせいである。実社会は互いに矛盾し、複雑を極めている。それは他人を見るより自分を見れば分る。自己の内奥をのぞいてみれば、良心的だの潔白だのと言える道理がない。それを最も見ないのが主婦である。

 主婦のなかの最も若く最も未熟なものを、警察官にするとどうなるか。正義の権化になる。権化になって何が悪いのかというだろうが悪いのである。

── 山本夏彦『何用あって月世界へ』