NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

新書を2冊

仕事帰りに新書を2冊。


 かつて世界三大兵学校のひとつと称され、若者たちの憧れとなった最高の教育機関が広島・江田島に存在した。卓越したリーダーシップと世界でも通じる人間性を養うその教育を、最後の生徒だった著者が克明に再現する。

『2014年01月29日(Wed) 「左警戒、右見張れ」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20140129


帝国海軍は、ドイツを手本にした陸軍とは異なり、ロイヤルネイビー(英国海軍)を手本としたため、ジェントルマンシップが色濃く残っている。
軍人である前に紳士たれ。スマートであれ。戦場にあってもユーモアを忘れてはならない。

陸軍のような頭の固い精神論を嫌い、スマートネスをモットーとした。
敵性語の言い替えが行われる中、海軍では英語を通したともいわれる。

 良き時代の海軍は、身体のこなしも心のあり方も、総じてコチコチになるのを嫌いました。いわゆる心身のフレキシビリティというものを大事にしたのだが、これまた海軍の伝統だったのです。
 中学を出て、江田島兵学校へ新しく入って来た生徒たちに、教官なり、上級生がまず言って聞かせる言葉が、「貴様たち、アングルバーじゃ駄目だぞ。フレキシブル・ワイヤでなくてはいかん」。アングルバーというのは、字引を引くと、「山形鋼」と出ていますが、要するに橋梁の工事現場なんかに置いてあるがっちりした鉄材のことらしい。あれは一見、立派で丈夫そうに見えるけれど、そのもの自体として、何の働きもしない。それに引きかえ、船のデリックからだらっと下っているフレキシブル・ワイヤ、こいつは何十トンもの重量物を上から下へ、右から左へ、自由に移動させることが出来る。海軍士官となるべきお前たちは、同じ鋼材でもコチコチの方ではなく、ぐにゃぐにゃの方を志せというんですから、世間の人が想像している軍隊の教えとは大分違いました。

── 阿川弘之著(『高松宮と海軍』)


教養としての聖書 (光文社新書)

教養としての聖書 (光文社新書)

 神はえらいですけど、理屈があれば、何を言ってもいい。「神さま、なんでこうなんですか?」みたいな。これが一神教の考え方です。日本人は相手がえらいと、「ハハー」みたいになっちゃって、論争できませんね。だからビジネスの交渉でも、世界で渡り合えないんです。相手が神でも議論するんですから、相手が人間なら、大統領だろうと、社長だろうと、(中略)ガンガン議論する。これが聖書を読んだ、一神教徒のやり方です。だったら日本人も、聖書を読まないでどうしますか。(本文より)


 今や宗教は基礎教養のひとつだが、実際に「聖書」を読み進めた人はどれくらいいるだろうか。本書では、六書をピックアップし、宗教社会学の大家がダイジェスト形式で解説。これを読めば、聖書の中身が7割方わかる!


目次

第一講義 『創世記』を読む
第二講義 『出エジプト記』を読む
第三講義 『申命記』を読む
第四講義 『マルコ福音書』を読む
第五講義 『ローマ人への手紙』を読む
第六講義 『ヨハネ黙示録』を読む

碩学の天才社会学小室直樹博士門下生、橋爪大三郎氏の一神教としての『聖書』解説本。
対話形式で読みやすそ。


『2013年11月07日(Thu) 『数学を使わない数学の講義』』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20131107

小室直樹の学問と思想

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日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか

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