『首を傾げる大学』
『産経抄』より。
「【産経抄】首を傾げる大学 1月19日」(産経新聞)
→ http://www.sankei.com/column/news/150119/clm1501190004-n1.html
大学入試センター試験が、きのう終わった。いよいよ受験シーズンの本番を迎える。毎年この時期、メディアでは東京大学の話題が多くなる。なんといっても、受験生にとってあこがれの大学である。ただこの大学には時々、首をかしげるような出来事が起こる。
防衛省が昨年5月、不具合が起きた航空自衛隊輸送機の原因究明のために、東大の大学院教授に協力を要請したところ、大学側に拒否された。日本の大学でもっとも多い800億円もの交付金を国から受け取っておきながら、なぜ、協力できないのか。
昭和34年、42年の評議会で、軍事研究の禁止の方針を確認しているからだという。「学問の自由」を持ち出す向きもある。むしろ、大学による自由の封殺といえまいか。少なくとも海外の名門大学では、聞いたことがない方針だ。主要国では例外なく、産学官軍が協力して、安全保障の研究開発にしのぎを削っている。
数年前、東大でロボットの開発に取り組んできた著名な研究者の退職も、この方針に関係があるといわれる。在職のままでは、最新技術を求める米国防総省がかかわる、ロボットのコンテストに参加できないからだ。
小紙は先週、東大大学院の情報理工学系研究科のガイドラインから、「一切の例外なく軍事研究を禁止する」との文言が削除されていることをスクープした。東大によると、軍事研究禁止の方針は変わらないそうだが、半歩前進とすれば喜ばしい。
東大の大学院は、世界中から院生を受け入れている。なぜか自衛官の入学だけは、ほとんど認められてこなかった。もっとも、東大を卒業して、自衛隊に入隊する若者は少なくない。首をかしげるような、学生ばかりでないことも、救いである。
『2013年11月06日(Wed) 「東大生はバカばかり!」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20131106
漱石先生、かく語りき。
人間は自分だけを考えるべきえはない。世の中もある。国家もある。少しは人のために何かしなくっては心持ちのわるいものだ。御前だって、そう、ぶらぶらしていて心持ちのいいはずがなかろう。そりゃ、下等社会の無教育のものなら格別だが、最高の教育を受けたものが、決して遊んでいて面白い理由がない。学んだものは、実地に応用してはじめて*1趣味が出るものだからな。
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*1:趣味=深い味わい。感興をさそう状態