一日一言「人生の目的」
一月十五日 人生の目的
人がこの世に生まれてきた大きな目的は、人のために尽くすことにある。自己の名声や利益のためだけではないのであって、生まれてから死に至るまで、自分の周囲の人が少しでもよくなれば、それで生まれてきた甲斐があったというものである。
君のため民のためぞと思はずば
雪もほたるも何かあつめん
なべて世の民の愁(うれひ)の深き江に
身をつくしても救ひてしがな 〈藤原師兼〉
安吾センセに曰く、
忘れな草の花を御存じ? あれは心を持たない。しかし或日、恋になやむ一人の麗人を慰めたことを御存じ?
蛙飛び込む水の音を御存じ?
願わくは“忘れな草”たらんことを。
“蛙飛び込む水の音”たらんことを。