“科学の良心”
「検証実験は小保方氏『犯罪人扱い』 チームリーダーが異例の自己批判」(J-CASTニュース)
→ http://www.j-cast.com/2014/12/19223726.html?p=all
検証実験でもSTAP細胞を再現できなかったことを報告した理化学研究所の会見の直後、責任者の相澤慎一チームリーダーが会見場に引き返し、異例の自己批判をする一幕があった。
今回の検証実験は「科学のやり方」ではなく、小保方氏を「犯罪人扱いをしたような形」になったことに「責任を感じている」と陳謝した。
一度は会見場を退出して、すぐに戻ってきてマイク持つ
小保方氏が2014年11月末まで行った検証実験では、専用の実験室が設けられ、カードキーで入退室記録を管理し、室内や出入り口にカメラを設置して24時間モニターで監視。実験にも第3者が立ち会うなど、異例の体制がとられた。
2014年12月19日に2時間以上にわたって行われた会見後、相澤氏らは一度は会見場から退出したが、すぐに相澤氏だけ再登場。マイクを持ち、このように述べた。
「この実験がどう元々行われたかは別として、検証実験、特に小保方さんの検証実験を、このようにモニターを置いたり、立ち会い人を置いたりして検証実験するというのは、科学のやり方じゃないと思う。科学のことは科学のやり方で処理しなければならないので、そういう風な検証実験をしてしまったことに対して、検証実験の責任者としては、ものすごく責任を感じている」
検証実験は「私から見ても、明らかに大きな制約があったと思う」
その上で、今回の検証実験が悪しき先例にならないように注文を付けた。
「今後何かあるたびに、このように犯罪人扱いをしたような形で科学の行為を検証するということは、科学にあってはならないことだと思っている。そのことに関しては深く検証実験責任者として、お詫びを申し上げるとともに、責任を痛感している。そのことを、こういう形で大変恐縮だが、お詫びさせていただきたい」
相澤氏は、小保方氏が発表したコメントの中で、検証実験を「予想をはるかに超えた制約の中での作業」と表現したことについて、「私から見ても、明らかに大きな制約があったと思う」と一定の理解を示し、小保方氏の様子を聞かれても
「小保方さんがどういう状態だったか、私の見る目で変わるかもしれず、個人的判断を述べることは差し控えたい」
とコメントを避けていた。
それ以外にも、会見では「責任者としてはコメントできない」「一個人としての意見は、改めた場所でお聞きいただければ」といったやりとりもあった。
相澤氏としては、会見場を出て、いったん責任者としての職務を終えたあとに、一個人として会見場に戻ってコメントしたかったようだ。
この検証実験はあきらかに科学的精神が欠如している。
相澤氏の心に宿る“科学の良心”が救いである。
“科学の良心”カール・セーガン博士は言います。
科学には誤りがつきものなのだ。その誤りを一つずつ取り除き、乗り越えてゆくのが科学なのである。誤った結論は毎度のように引き出されるけれども、それはあくまでも暫定的な結論でしかない。科学における仮説は、必ず反証可能なように出来ている。次々と打ち立てられる新たな仮説は、実験と観察によって検証されることになるのだ。科学は、さらなる知識を得るために、手探りしつつよろめきながら進んでいく。もちろん、自分が出した仮説が反証されれば嬉しくはないけれども、反証が挙がることこそは、科学的精神の真骨頂なのである。
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