奥床しくせよ
漱石でも。
言う人は知らず、知る人は言わず、余慶(よけい)な不慥(ふたし)かのことを喋々*1(ちょうちょう)するほど、見苦しきことなし。いわんや毒舌をや。何事も控え目にせよ。奥床しくせよ。むやみに遠慮せよとにはあらず、一言も時としては千金の価値あり。万巻(まんがん)の書もくだらぬことばかりならば糞紙(ふんし)に等し。
- 作者: 夏目漱石,矢島裕紀彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: 単行本
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『2014年06月20日(Fri) 『漱石「こころ」の言葉』』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20140620
沈黙を守っているひとには、だれもが、尊敬の念をおぼえるものです。たくさんのことを知っていそうだし、なにより、とびっきりかっこいい生き方をしていそうだから、です。
── (『ムーミン谷の仲間たち』)
翁にも曰く、
知らないことには二種ある。全く知らないことと、よく知らないことの二種である。人は全く知らないことでさえ、知ったかぶりして教えようとする。すこし知ることなら得意になってなお教えようとする。
子のたまわく、
子のたまわく、巧言令色(こうげんれいしょく)鮮(すくな)し仁(じん)
(孔子様がおっしゃるよう、「口前(くちまえ)が上手で顔付(かおつき)をかざる人には、信実心がすくないものぞ」)
── 学而第一『新訳論語』(穂積重遠)
- 作者: 穂積重遠
- 出版社/メーカー: 講談社
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*1:喋々する=しきりにしゃべる