NAKAMOTO PERSONAL

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失敗を乗り越えるヒント

「過去の失敗を乗り越え、前進するためのヒント」(ライフハッカー
 → http://www.lifehacker.jp/2014/07/140711failuremovepast.html

 失敗は、成功のために欠かせない要素です。とはいえ、失敗をすると心が折れそうになることもまた事実です。失敗を敵ではなく味方にするためには、それを乗り越えなければなりません。今回紹介するのは、つらい失敗を乗り越えるためのヒントです。


失敗とはなにか?

 失敗は、成功の反対と定義されますが、それが意味するところは受け手によって変わります。小さなことでも、失敗と言われることがあります。簡単に到達できるはずの売り上げを達成できなかったり、お店で大事なものを買い忘れたり。誰もが失敗をしますし、みな失敗によって多かれ少なかれ影響を受け、挫折感を味わいます。

 ですが、一般的に「失敗」という言葉は、もっと重大なことについて使われます。周囲の人を、もしくは自分自身を失望させたときなどです。重要なことを成し遂げるために最大限の努力を尽くしたにも関わらず、失敗してしまったときの痛みは非常に大きく、当人の自信は揺らぎます。たとえば、スタートアップの事業が失敗したり、大きな試合で負けたり、もしくは大切にしている人を悲しませたときのように。失敗は人の心に傷跡を残します。


わき上がる感情を押さえ込まない

 失敗すると心が大きく傷つきますが、それは当然です。重要なのは、ネガティブな気持ちを外に出して、再び立ち直り、次の挑戦に立ち向かうことです。よく振った炭酸飲料のように、感情を自分の中に押さえ込んでいてはいけません。なぜなら、それは次の2つの状態につながるかもしれないからです。

  • 感情の爆発: 動揺すると、感情を外に出さないように抑えるのが難しくなります。ふとしたときに、押さえ込んでいたものが爆発し、前に進むのがさらに難しくなるかもしれません。精神状態に悪影響をきたすばかりか、周囲の人との関係にも悪影響が及ぶ可能性があります。感情が爆発すると、大切な人もまた巻き込んでしまうのです。
  • ネガティブな感情が膨らんでいく: 高まる感情をうまく外に出さないと、ネガティブな感情が少しずつ入り込んでいきます。自分の犯した過ちに正面から向き合い、その感情をしっかり受け止めることが重要です。でなければ、不安が常に心につきまとい、過去の失敗の影が離れないでしょう。不安を常に感じている状況は、とても不健全ですし、さらなる問題につながりかねません。

 では、感情をいかに外に出せばよいのでしょう? 負の感情を外に出しつつ、学んだ知恵を忘れない方法を紹介しましょう。

  • きちんと時間をとる: どん底の気持ちに陥ってもいいのです。起きたことを完全に無視するのは有益ではありません。ある程度の時間をかけて、どん底の気持ちを噛み締めましょう。やるせなさや怒りをおもいっきり感じて、そうした感情をすべて外に出しましょう。小さな失敗なら、1時間ほどその感情に浸って、ベッドで泣いたりすればいいかもしれません。大きな失敗であれば、24時間かけてすべてを吐き出し、翌朝にはすっきりとした状態で目覚めましょう。それ以上の時間が必要だとしても構いません。ただ、最初に設定した時間を守るようにしましょう。その時間は、悲しみに浸りたいだけ浸って、時間が過ぎたら、前に進みましょう。
  • 誰かに話す: 知り合いに自分の気持ちについて話しましょう。誰かに話すだけで、気持ちが上向きになる効果があることはよく知られています。心を開いて、感情を共有しましょう。ほとんどの相手が、励まそうとしてくれるでしょう。励ましてくれなかったとしても、自分の気持ちを声に出して言うだけで、脳内の情報を外に出すことができます。
  •  失敗が自分の人格であると思わない:失敗は出来事であって、あなた自身の特性ではありません。Forbes の Susan Tardanico氏は、あることについてうまくやる方法を見出せなかったからといって、あなた自身が失敗であるわけではないと説きます。失敗を犯すことと、失敗する人物自身の区別が曖昧にならないように気をつけましょう。行動はその人の人となりを表しますが、失敗はそうではありません。失敗を乗り越え、成功に結びつけるという行動が、最終的にあなたという人を表すのです。

 失敗すれば誰もが傷つきますし、その傷をただ放っておくのは賢明ではありません。傷の痛みはさらに増し、完治するまでの時間は長引き、さらには伝染する可能性も高まるでしょう。


他人の失敗の例から学ぶ

 どん底に落ちているのは自分だけだなどと考えては、絶対にいけません。人はよく、成功している人を見ると、その人はすべてうまくこなしていると考えがちですが、実際は彼らも他の人々と同様に失敗に直面しているのです。自分の失敗を他人に知られないようにするのがうまい人もいますが、失敗自体は全世界共通のものです。成功していない自分を責めるまえに、失敗に関する現実を知って、いかに失敗がありふれているものかを理解しましょう。

 あなたが尊敬する成功者は誰でしょうか? 彼らが人生や仕事において、過去にどのような失敗をしたかを学びましょう。伝記やブログを読んだり、スピーチを聞きましょう。成功者というのは、成功について語るのと同じくらい失敗についても語ります。なぜなら、失敗を乗り越えることの重要性を信じているからです。世界のトップにいる人々もまた、失敗してきました。それも時に、すさまじい失敗をしてきたのです。

 あなたの友人や家族についても同様です。彼らの失敗談を思い浮かべて、誰もが失敗するということを思い出しましょう。失敗を指摘し、笑うのではなく、失敗は許されることを認識することが目的です。


失敗の捉え方を変える

 失敗は良いことです。そのように捉えるのは難しいかもしれませんが、失敗に対する捉え方を変えるだけで、うまく失敗に対応できるようになります。失敗は、成長するためには欠かすことのできない、学びと成長のための機会です。

 「Pick the Brain」の Robert Spadinger氏は、失敗の意味を見直すのに役立つであろう、失敗に関する10の大事なことを掲載しています。

  1. 失敗は、成功と自己認識のために不可欠である。
  2. コンフォートゾーンを出て、なにか新しいことに挑戦するとき、失敗は避けられない。
  3. 失敗すると目標に一歩近づくことができる。
  4. 失敗は最高の教師であり、失敗から人は重要な人生の教訓を学ぶことができる。
  5. 失敗を通じて人は、強く、大きく、より良くなれる。
  6. 失敗から学び、それを繰り返すことができさえすれば、失敗すること自体は大きな問題ではない。
  7. 失敗は、ある状況における、あるアプローチが機能しないこと、さらに良いアプローチが存在することを人に教えてくれる。
  8. 成功者は、人の失敗を笑ったり、その失敗を元に相手を評価したりしない。なぜなら、彼らも失敗を経験しており、人が失敗から大切な教訓を学べることを分かっているからである。
  9. なんど失敗しても、あきらめない限りあなた自身は失敗者ではない。
  10. 失敗すればするほど、失敗に対する恐れは小さくなり、より難しいことに挑戦しようという気持ちになる。

 どんな失敗も学びの機会になります。失敗による傷心を乗り越えたら、新しい視点でその失敗について考えてみることが重要です。なにがいけなかったのかを考えると同時に、どの行動が適切だったのかについても考え、次回いかにうまく対応できるようになるかを考えましょう。多くの失敗は、白黒がつけられるものではないのです。


次のプロジェクトに夢中になる

 悲しみにたっぷり浸ったら、再挑戦をするか、次の挑戦に頭を切り替えましょう。次に取り組む仕事に神経を集中させ、ネガティブな感情が入り込む隙をつくらないようにしましょう。過去の失敗を完全に無視することはできませんし、それでは失敗から学ぶことはできません。ですが、過去の失敗に捕らわれ続ける必要もまたないのです。

 次のプロジェクトに手をつけて、それに集中しましょう。アニメーション監督である宮崎駿は、前に進むために、常に次のプロジェクトを準備しておくことを提案します。大変な仕事ほど、集中力が求められるものはありません。仕事から少し離れたい場合には、趣味を見つけましょう。ポイントは、集中する対象を切り替えて、失敗は人生の終わりではないと思えるように自分に時間を与えることです。

 失敗のすばらしい点は、たいていの場合、再度チャンスを得られる点です。Marc and Angel Hack Life の Angel Chernoff 氏は、失敗は実践の一つの形に過ぎないと言います。

すばらしいアーティストもまた、かつてはアマチュアでした。実行し、失敗することに対する抵抗が少なくなればなるほど、より速く必要なスキルや知識を身につけられるようになります。実践した結果、成功するかどうかを100%予測することはできませんが、何も実践しないことが成功につながらないのは、100%真実です。なので、一歩踏み出して、挑戦してください。その結果が成功であろうと学びであろうと、大切な経験になります。ウィンウィンの結果をもたらすのです。

 失敗を何度も繰り返していいのです。ですが、挑戦すること自体をあきらめた瞬間、失敗は現実となります。

 失敗を避けることは難しいですが、人に良い影響をもたらしもします。失敗は手段であり、成功のためのステップと捉えましょう。失敗したとき、敗北感を味わってもよいのです。ですが、ある試合で負けたことが、闘い自体での負けを意味しないということを覚えておいてください。


福田恒存が言うには、、、

 失敗すれば失敗したで、不幸なら不幸で、またそこに生きる道がある。その一事をいいたいために、私はこの本を書いたのです。べつの言葉でいえば、自分の幸と不幸とは、自分以外の誰の手柄でも責任でもない。誰もが、いままで誰一人として通ったことのない未知の世界に旅だっているのです。なるほど忠言はできましょう。が、その忠言がどの程度に役だつかどうか、それはめいめいが判断しなければなりません。第一、つねに忠言を期待することは不可能です。
 究極において、人は孤独です。愛を口にし、ヒューマニズムを唱えても、誰かが自分に最後までつきあってくれるなどと思ってはなりません。じつは、そういう孤独を見きわめた人だけが、愛したり愛されたりする資格を身につけえたのだといえましょう。つめたいようですが、みなさんがその孤独の道に第一歩をふみだすことに、この本がすこしでも役だてばさいわいであります。

── 福田恆存(『私の幸福論』)

私の幸福論 (ちくま文庫)

私の幸福論 (ちくま文庫)