しっかり頼むよ。
君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく、自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。
しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。
言葉を換えれば、君達が日陰者である時の方が、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。
一生御苦労なことだと思うが、 国家のために忍び堪え頑張ってもらいたい。 自衛隊の将来は君達の双肩にかかっている。 しっかり頼むよ。
昭和32年(1957)3月26日 防衛大学校第1期学生卒業式 訓示
「【産経抄】自衛隊創設60年 7月1日」(産経新聞)
→ http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140701/plc14070103140006-n1.htm
海上自衛隊横須賀基地で毎年行われる婚活パーティーは、参加するだけで大変らしい。なにしろ定員100人に対して、女性の申し込みは10倍を超える。陸、空の自衛官も同様にモテモテだという。
東日本大震災で活躍する姿が注目されて、頼りがいがあるというイメージが定着したようだ。フリーカメラマンの宮嶋茂樹さんが、若手の海上自衛官を撮影した写真集、『国防男子』『国防女子』の売れ行きも順調のようだ。
きょう、自衛隊は創設60年を迎えた。草創期を知る元自衛官は、隔世の感を覚えずにはいられないだろう。ことあるごとに「憲法違反」「税金泥棒」などの悪口にさらされてきた。「防衛大学生はぼくらの世代の一つの恥辱」とまで言ってのけたのは、ノーベル賞作家の大江健三郎氏である。
自衛隊に対するそんな偏見は一掃された、と言いたいところだが…。きのうの毎日新聞は、自衛隊入隊を希望する生徒の気持ちを変えようと、やっきになっている高校教師を取り上げていた。集団的自衛権の行使が認められれば、教え子を戦場に送ることになる、というのだ。飛躍しすぎた論理にはとてもついていけない。その底流にあるのは、相も変わらずの自衛隊への蔑視である。
10年前の小紙をめくると、社説の見出しは、「自衛隊 逆風によく耐えた五十年」だった。そのなかで、すでに集団的自衛権の行使容認を訴えている。反対派は、「拙速な議論」を理由のひとつに挙げるけれど、論議は長すぎるほど続いてきた。
安倍内閣はきょう、新たな憲法解釈について閣議決定する予定だ。自衛隊は、大事な記念日を喧噪(けんそう)のなかで迎える。もちろん隊員たちは、いつもと変わらず任務を果たし、訓練に明け暮れるはずだ。
『2014年01月09日(Thu) 第五列』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20140109