「うん、こまったよ。や、おはよう」
「アラームが鳴る数分前に目覚めるという現象の理由」(lifehacker)
→ http://www.lifehacker.jp/2013/11/131128alarm.html
大きな音が鳴るものから、心地良いサウンドが流れるものまで、目覚まし時計にはさまざまな種類があります。でも、何も使わずに時間通りにスッキリと目覚めることができれば理想的ですよね。
「いつも目覚ましが鳴る5分前ぐらいに目が覚める」という優等生はいませんか? ウェブサイト「Mental Floss」では、その理由を科学的に説明しています。
あなたの体は、目覚まし時計を嫌っています。目覚まし時計は不快なストレスのもとです。睡眠中の体の働きを台無しにするだけでなく、「徐々に目覚める」という目標も達成できません。そのため、体は突然の目覚めを避けようとして、驚くべき方法をとります。夜のあいだに、PERタンパク質(睡眠と目覚めのサイクルを調節するタンパク質)とストレスホルモンを増加させるのです。
体が目覚まし時計より先に目覚め始めるので、目覚めのプロセスが邪魔されることはありません。このプロセスはとても正確に機能するので、目覚ましが鳴る数分前、または数秒前に目が覚めるようになります。
この記事では、目覚ましが鳴る前に起きられないのは、おそらく充分な睡眠をとっていないためだと指摘されています(もっと規則正しい、予測可能な睡眠習慣を身につける必要があるとも考えられます)。
また、精神的なトレーニングをすれば、時間通りに起きられるようになるそうです。研究では、夜のあいだに、起きたい時間に合わせてストレスホルモンが調節されることがわかっています。
ただ、どんな方法で起きるにしても、スヌーズ機能は使ってはいけません。
ぼくもそのクチです。
鳴る前に止める。
意味無く目覚ましと競争の日々。
「なんにしろ、とんでもない仕事だよ。むかしは、理くつにあってたんだがね。朝になると火を消す。夕方になると、火をつける。ひるまは休めたし、夜は眠ったもんだ・・・」
「で、そのあと、命令がかわったってわけだね?」
「命令はかわりゃしないよ。ところで、そこがたへんなことなんで、ものもいえないってわけさ。星は一年ましに早く廻るっていうのに、命令はかわらないときてるんだからなあ」
「すると?」と王子さまがいいました。
「すると、こうだよ。いまじゃ、この星のやつが、一分間にひとめぐりすることになってるんで、おれときたら、一秒も休めなくなったんだよ。一分間に一度、火をつけたり、消したりするんだからな」
「へんだなあ! 一分間が一日だなんて」
「ちっともへんなことなんかないよ。おれたちは、もう一月(ひとつき)も話してるんだぜ」
「一月?」
「そうだよ。三十分。だから、三十日さ。や、こんばんは」
点燈夫はまた街燈に火をつけました。
「あのね・・・ぼく、あんたが休みたいときに、休む方法を一つ知ってるけど・・・」
「おれは、いつだって休みたいんだ」と点燈夫がいいました。
人というものは、仕事にまめな一方では、なまけもののこともあるからです。
王子さまは、つづけていいました。
「きみの星は、ほんとに小さいんだから、三あし歩けば、ぐるりとまわってしまえるね。相当ゆっくり歩いてさえいたら、きみがほしいと思うだけ、ひるまがつづくよ」
「そうしたからって、おれはたいして助からないな。おれがこの世ですきなのな、眠ることだよ」
「そりゃ、こまったね」と、王子さまはいいました。
「うん、こまったよ。や、おはよう」
そして、点燈夫は、街燈の火を消しました。
あの男は、王さまからも、うぬぼれ男からも、呑み助からも、実業屋からも、けいべつされそうだ。でも、ぼくにはこっけいに見えないひとといったら、あのひときりだ。それも、あのひとが、じぶんのことでなく、ほかのひとのことを考えているからだろう。
- 作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,内藤濯
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