一日一言
七月一日 思い立った日が吉日
今年もはや半ばを過ぎて、失敗したことが多かったことを反省するが、あとの半年は、これを取り返さなければならない。そのためにはすぐ実行することを心がけなければならない。善いことや正しい道と知ったならば、すぐにその方針に向かって進むことである。貯蓄が必要だと思ったなら、すぐにその日のうちに一銭の貯金をしなさい。また、学問が大事だと思ったら、その日のうちに本を一ページでいいから読みなさい。
東路と言へば遠きに似たれども
ただ一と足の踏み出しにあり
千里ゆく道も初は一と歩み
低きよりして高く登りつ
人生も半分残っていない。
それは明日かもしれないし、明後日かもしれないし、来年かもしれない。
月並みだけれども、悔いの無いように。
人間は悲しいものだ。切ないものだ。苦しいものだ。不幸なものだ。なぜなら、死んでなくなつてしまふのだから。自分一人だけがさうなんだから。銘々がさういふ自分を背負つてゐるのだから、これはもう、人間同志の関係に幸福などありやしない。それでも、とにかく、生きるほかに手はない。生きる以上は、悪くより、良く生きなければならぬ。