essere amato amando
「古城に刻まれていた切ない恋、窓に残された謎の言葉の意味が判明」(Narinari.com)
→ http://www.narinari.com/Nd/20130220581.html
歴史的建造物として、多くの観光客が訪れる英南西部バンガーの古城・ペンリン城。その一室の窓ガラスに、長きにわたり、意味不明のラテン語と思われてきたメッセージが刻まれていた。しかしこのメッセージ、城で働くイタリア人スタッフの指摘によって、最近になってラテン語ではなくイタリア語で書かれたものだと判明。意味を知った関係者らが残された資料を調査した結果、そこには130年ほど前に城で暮らしていた女性の苦しみが隠されていたことが分かったそうだ。
英紙デイリー・テレグラフやデイリー・メールなどによると、ペンリン城のある一室には、以前から「essere amato amando」との言葉が刻まれた窓ガラスがあった。専門家らの間では、長く「ラテン語で書かれた意味不明の走り書き」と解釈され続けていたそうだが、最近になって加わったイタリア人スタッフが「ラテン語ではなくイタリア語だ」と指摘。文法的な違いはあるとしながらも、メッセージを「愛する限り愛されたい」と意訳した。そこで、別の窓ガラスに名前が刻まれていた女性のメッセージだと推測した関係者たちは、そこに隠された意図を探ろうと調査を行い、過去にあった古城での切ない恋愛の話にたどり着いたそうだ。
窓ガラスにメッセージを刻んだとされるのは、19世紀後半にペンリン城で暮らし、実業家にして議員だったジョージ・ダグラス-ペナント氏の娘・アリスさん。1880年ごろ、10代だった彼女は城で働いていた庭師の男性と恋に落ちる。ところが娘の恋を知った父は、身分の違う男性と恋仲になったことに激怒し、彼女を塔の中にあった“子ども部屋”へと幽閉。2人の中を、力ずくで引き裂こうと試みたとされている。
同じ部屋の別の窓には彼女の名前が刻まれていたことから、「その部屋がかつてアリスの寝室だったことは知っていた」関係者らは、残されている文書資料から彼女に関する記述を調査。その結果、メッセージはその頃に刻まれたものと推測され、彼女が133年前に経験し、歴史に埋もれていた切ない恋愛が明らかになったそうだ。
ちなみに、その後成長した彼女は、著名な画家として活躍。1939年に76歳で亡くなったが、未婚のまま生涯を終えたという。
恋愛は人間永遠の問題だ。人間ある限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと私は思う。人間永遠の未来に対して、私が今ここに、恋愛の真相などを語りうるものでもなく、またわれわれが、正しき恋などというものを未来に賭けて断じうるはずもないのである。
ただ、われわれは、めいめいが、めいめいの人生を、せい一ぱいに生きること、それをもって自らだけの真実を悲しく誇り、いたわらねばならないだけだ。
- 作者: 坂口安吾,川村湊
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