「なかった昔には戻れない」
「セシウム除去に新吸着材を開発 従来の100倍の吸着力」(47NEWS)
→ http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011101002045.html
物質・材料研究機構(茨城県つくば市)などのチームは11日、原発事故などで汚染された水から放射性セシウムを除去する新しい吸着材を開発したと発表した。これまで除染などに使われていたゼオライトのおよそ100倍の吸着能力があるという。
セシウムだけを吸着できるため、少量で放射性物質を除去できるため、吸着後の廃棄物を減らせるという。従来の吸着材は化学的性質が似たナトリウムなどほかの物質も吸着していた。色素を加えることで吸着すると色が変わるようにすることもできる。
「バイオ燃料が大気汚染の原因に、人間の寿命に影響も=研究」(ロイター通信)
→ http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE90702T20130108
ぼくは積極的な反原発論者ではない。
むしろ狂信的な反対運動には嫌悪感すら感じる。
今から30年も前、「なかった昔には戻れない」と喝破したのは山本夏彦である。
産業革命はイギリスが本家で、蒸気機関車は駅馬車を滅ぼした。汽船は帆前船を滅ぼした。
紡績機械は職人を失業させると職人たちは大挙して機械を打ち壊したが、いくらこわしても機械のなかった昔にはかえれなかった。
これが第一次の産業革命で、今は第なん次だか知らないがコンピュータあらわれたら、あらわれなかった昔にはかえれない。
ロボットがあらわれたら、あらわれない昔にはもどれない。
ロボットは我々の職を奪うと西洋人は思うが、奪わないこと紡績機械のごとしと日本人は平気である。
かくてひとたび原子力があらわれたら、あらわれない昔にはかえれない。
核もまたそうである。
私は原子力の発明を呪っているが、マイカーやテレビのごときをよしんば渋々でも認めたら、その科学技術の絶頂である核だけ廃絶しようなんて出来ない相談だとあきらめている。
いくら憎んでも原子力の存在は、認めなければならないと、私は署名せよと言われてもしないのである。
ほかでもないそれをつくったのは自分自身だと無限の悔いと怒りを込めて!
── 山本夏彦(『夏彦の写真コラム』)
ぼくは人間の良心を信じる。人類の叡智を信じる。
人間はどんな困難をも必ず乗り越える。
あたしたちは死に絶えやしないよ、人間ってどんどんすすんでいくんだよ
ちょいと変わることがあるかもしれないけど、まっすぐどんどんいくもんだよ。
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