偶然は必然
「少年が見つけた運命のカメラ、中古で購入したら中に亡き叔父の写真。」(Narinari.com)
→ http://www.narinari.com/Nd/20120618119.html
偶然なのか必然なのか、世の中には“運命”を感じさせる不思議な巡り合わせを体験する人がいる。先日、ガレージセールで中古のポラロイドカメラを購入した米国のある少年も、そうした“運命”を体験した一人だ。このカメラ、自宅に帰って調べてみたところ、中から予想もしなかった写真が見つかり、家族一同驚いているという。
米紙ウィチタ・イーグルやロサンゼルス・タイムズによると、運命のカメラを見つけたのは、カンザス州ウィチタで暮らす13歳のアディソン・ローガンくん。普段はオフロードバイクで遊んでいる彼は、2週間前に運転を誤って腕を骨折していたこともあり、5月24日、祖母のロイスさんと一緒に大人しくガレージセールを見に出かけていた。掘り出し物を求めて品定めをしていると、「すごくかっこいい」古いポラロイドカメラを発見。すぐに購入を決め、価格の1ドル(約80円)を払って手に入れた。
ところがデジタルカメラ全盛の現代、13歳という若さの彼にはポラロイドカメラの知識がなく、使い方が全く分からなかったそう。そこでまずは使い方が分かりそうな動画をYouTubeで探し、「フィルムが必要」なことを理解すると、中を確認しようとフィルムカートリッジを開けてみた。するとその中にあったのは、肩を組んで仲良く写るカップルの写真。見知らぬ男女の写真を手に入れた彼は、とりあえず祖母のロイスさんにもその写真を見せてみたところ、彼女は驚きの表情を浮かべたそうだ。
なぜなら、そこに写っていた男性は、1989年に自動車事故で亡くなったロイスさんの息子、つまりはアディソンくんの叔父にあたるスコットさん(享年28)だったから。そして、隣に座っていたのは彼の高校時代のガールフレンドだと気が付き、写真は「1978年か79年頃」に撮影されたものだとわかった。孫が突然、亡き息子の写真を持ってきただけでなく、その写真がガレージセールで第三者から購入した中古のポラロイドカメラの中にあったという事実に、彼女は「鳥肌が立った」と語っている。
ちなみに、スコットさんが亡くなったのはアディソンくんが生まれるずっと前のこと。そのため、アディソンくんはその顔も知らず、カメラを買ったときも繋がりのあるものだとは知るよしもなかった。また、カメラを売っていた男性は一家とは面識なし。「どこで手に入れたかは覚えてない」と話しており、どのような経緯で渡ったのかはよくわかっていない。
それだけに、普段ならオフロードバイクで遊んでいたアディソンくんが、たまたま骨折をしていたから5月24日のガレージセールに行ったことも、そこでこのポラロイドカメラが売られていたことも、アディソンくんの目に留まったことも、すべては偶然の産物。ロイスさんにとって一連の出来事は、驚き以外の何ものでもなかった。
これには親戚を含め、一家全員がびっくり。また、ロイスさん宅は数年前に洪水の被害に遭い、「スコットさんの写真もほとんどない」状況だったとも伝えられており、それだけに、今回の発見には格別な思いもあるようだ。現在は家に写真とカメラを一緒に飾り、家族全員がスコットさんを思いながら生活しているという。
偶然は必然である。
意味ある偶然の一致、いわゆる共時性。シンクロニシティ。
神話的なメタファーとして考える。
つまりは偶然の中に意味を見つける。
おそらく偶然は偶然であろうが、そう考えた方が面白い。
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