NAKAMOTO PERSONAL

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「オールドタイマー」

「かっこよくて税金も優遇 レトロ車人気、独で上昇 」(日経新聞
 → http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E0E5E2E1938DE0E5E2E6E0E2E3E09180EAE2E2E2

 最新の燃費技術や洗練されたデザインを併せ持ち世界規模で販売を伸ばすドイツ車。その本国で今「一番格好いい」と注目を集めるのが、生産して30年以上たつレトロ車だ。自動車ファンはあこがれの思いを込め「オールドタイマー」と呼ぶ。独政府が減税などの優遇制度を導入したことで人気は高まる一方。若葉が芽吹き欧州が最も美しいこの時期、オールドタイマーの出番だ。


愛車の70年製「ポルシェ911s」を磨き上げるツィンテルさん。標識の末尾には「H」ナンバーが光る
 「手入れのときのオイルのにおい。休日に息子たちとドライブ。人生に欠かせない楽しみの一つ」。独フランクフルト郊外に暮らす銀行マンのニコラス・ツィンテルさん(40)は、オールドタイマー愛好家。現在、1968年製「メルセデス・ベンツ280SL」など4台を持つ。お気に入りは70年製「ポルシェ911S」。2年前に英国のオークションに出向いて2万1千ポンド(約280万円)で手に入れた。

 独南部シュツットガルト市郊外に住むローランド・ベルナーさん(70)は10年前に買った66年製のイタリア製小型車「フィアット500」を大切に乗り続ける。「最近の電子制御は複雑。メカで動く車に愛着を感じる」と笑う。「収集家ではないのでこの1台とじっくりと付き合っていくつもり」と話す。

 新車とレトロ車では街行く人々の反応が違うという。ツィンテルさんは新型のポルシェ911Sも所有しているが「正直言ってねたみの視線を感じることが多い」。一方、70年製の911Sでは「親指を立てて“いいね”のサインを送ってくれる」。自国が生み出した名車への敬意の念を感じながら運転するのも気分がいいはずだ。

 オールドタイマー人気は広がる一方。10年にフランクフルト市内に開業したオールドタイマーの展示場「クラシック・シュタット」は昨年1年間で25万人が訪れた。

 人気のきっかけの一つが、独政府が97年に導入した優遇制度だ。自動車発祥の地であるドイツは「主力産業の伝統と価値を次世代に受け継ぐ」(独政府)狙いから、最初の登録から30年以上経過した車向けにその“歴史的価値”を表す「H」ナンバーを導入。これが当たった。

 Hナンバー車は大きな改造が加えられていないことなどを条件に発行。ユーザーは自動車税減税や保険料の減免などが受けられる。ドイツの多くの都市で義務づけられている排ガス浄化装置の装着もHナンバー車は特別に免除される。初年度は1万3500台がHナンバーを取得。毎年ほぼ右肩上がりで登録は増え、2011年末までに累計20万8千台に達した。

 あまりの需要の多さから投資対象としての評価も高まる。クラシック・シュタット館長のマーク・バウミュラーさんによると「購入客のなかには値上がり後の売却益目的で購入する人も多い」という。東証インデックスのように、オールドタイマーの市況を示す専門の指数も登場。それによると約10年間で指数は2倍近く上昇した。

 ツィンテルさんの70年製911Sも購入後2年間で取引価格は2倍になったという。「いずれはピカソやゴッホの絵画のような希少価値が出てくるのでは」とバウミュラーさんも期待する。好調なドイツ経済もオールドタイマー人気を後押ししているようだ。

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